うし日和:ほたてにっき
2006-12-26T23:29:15+09:00
ushimaton
気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。
Excite Blog
ホタテフィーバー
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2006-12-26T23:29:15+09:00
2006-12-26T23:29:15+09:00
2006-12-26T23:29:15+09:00
ushimaton
ほたてにっき
ピンポーーン。お荷物でーす!
ジャーン!!
うっひゃ~~!(@0@)
夏に働いていた羅臼の漁師さんから、ホタテが届いた!
でっけ~!まだ生きてるー!
比較に携帯を置いてみたけど、わかるだろうか。
なんとなく、おみやげに持って帰ってきていたピンピンヒラヒラのベビーホタテの殻を横に置いてみた(笑)
大きくなったね、君たち…(誤)
って、もちろん夏に私たちが世話をしたベビーたちとは違う。
たぶん4年ものとかなんだろうなー。
こんなに大きくなるのだねぇ。
お礼の電話をして、久々におばさんと話をした。
元気そうでよかった☆
私が仕事を終えて帰った後、猛烈な低気圧が北海道に来た。道内各地でホタテの養殖網が大きな被害に遭った、と報道されていたので心配していたのだが、幸いにも大きな被害はなかったらしい。
「今年はなんだか異常気象でね、流氷も来ないんでないべかって心配してるの。あんまり来るのも困るけど、流氷にはホドホドに来てもらわないと困るからさ。」
「流氷が来ないと困るんですか?」
「うん、プランクトンがね…。」
そうか、ホタテの餌は植物プランクトン。
そして、流氷の下は栄養分の宝庫だって聞いたことがある。
ホタテの養殖に、流氷が実は関係していたのだねー。なるほどー。
まだ生きているホタテ。とったばかりなんだ。つまり、こんなに寒いのに、船に乗って海に出て、冷たい水をさわって仕事をしてたんだ、みんな。
さっそく開いてみた。(父が)
でっけー身だなぁオイ!
こんなにでっかい貝柱って見たことないかも。
刺身と、網焼きにしてみた。
普通の日?にこんなご馳走を何気なく食べるのももったいないような気もするが、新鮮なうちに味わうのが一番だ。
それにしても、こうして振り返ると今年の秋の食生活、海の幸のなんと充実していた事よ…。
それ以外の時は、みっちゃんの家でサンちゃんの幸満点だったし。
バターなんかも乗せてみたりして。
やばくね?まじやばくね?
(↑今年の私の流行語トップ3に入るな)
いやはやいやはや、おいしゅうございました。
ホントにおいしいし、何よりこうやって送ってきてくれたってだけで、世界で一番のホタテなのであります。
ただの短期バイト(しかもちょっと強引に申し込んだ)だったのに、仕事の上でもあんなに良くしていただいて、終わって帰ってきてからもこんなに…(T-T)
いまだに肩に残るホタテ筋(仕事で使った肩の筋肉。腕を上げると今でも肩に筋肉エクボが(笑))を大切にしないと(^^;)
内臓脂肪を増やしてる場合じゃないぞ、自分。
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夕日のある町へ
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2006-10-07T17:52:33+09:00
2006-10-07T17:52:33+09:00
2006-10-07T17:52:33+09:00
ushimaton
ほたてにっき
うう、記事書きかけのまま、忙しすぎに日々過ぎ行く…。
まず横断道路話を完成させよう。
1日待って今度こそ出発!の日。雨も風もない、申し分ない良い朝だった。
「昨日からおにぎりづくしだね」と笑いながら、また弁当用のおにぎりを握る。昨日はおにぎりをしっかり作った後で雨が降り始めたので、その後の食事がおにぎりだらけになったのだ(-_-;)
おばさんにお別れを言って、何度も「気をつけて」を言われ(^^;)、来たときと同じ、いまだにトウキビの微妙な香り漂うおじさんの車で出発した。
毎日通ったおかげですっかり見慣れた道。さらばじゃ。
麓から横断道路を約4キロ登った所にある、例のそこはかとなく愉快な露天温泉「熊の湯」前まで乗せていってもらった。
ありがとう親方!お世話になりました!
で。
ここから、私ひとりの半島横断スタート!
親方の車を見送って、リュックをきちんと背負って、あと1ヵ月かそこらで冬季閉鎖に入る半島横断道路に踏み込…ん?
熊の湯の道路を挟んで向かいは、以前私がお世話になったり突風にもまれたりした野営場なのだが、見るとなんか立て札が入口を塞いでいる。
『ここに9月25日ヒグマが出没したので、当分の間閉鎖します。』
ひょえー(@_@)ちょっと前やん!!
いきなり不安な…(-_-;)
道路なら、昼間はそれほどクマの心配はしなくて大丈夫、と言われていたが、まだ早朝で通る車はゼロ。
小鳥のさえずり響く心地よい山道…は良いが…(-"-;)
ひんやり涼しい微風が吹く中を少し登ったら、熊笹が背丈より遙か高く茂って道にせり出した一帯が現れた。
都会なら変質者に警戒する所だが、ここはヒグマがまじめに怖い。
つい、パンパン!と手を打ち鳴らして確認してから通ってしまった(^-^;)
さらにしばらく歩くと、道の反対側の笹藪の奥がバキバキッ!と音を立てて揺れたΣ(@_@)
大きな生き物が歩く気配そのままに、断続的にガサッ、パキッと揺れる。
「熊か!?(ちょっと見たい)」とドキドキしながら息をひそめて観察。現金なもので、距離があると、見たい(笑)
ガサッ。
あ、見えた。
シカでした(^^;)
さらにしばらく歩く。じっとり汗ばんできた。
道の脇は、熊笹の上をダケカンバ(高地などに生える、ヘソ曲がりの白樺みたいな木)が茂る、いかにも知床な景色だ。
結構歩いたなあ。3分の1くらいは来たか?と思っていた頃、標識が見えてきた。
『峠 1合目』
ガビーン(-д-;)
天空を歩くみたいな、かなりな難所だったと思われる断崖に張り付いた高ーい陸橋を歩いた。
谷間の遙か先には少しだけの海と、R臼の海が見える。
考えてみれば、大変とかゆるくないとかみんなに心配してもらったが、今のところ体的にはホタテの方がずっとしんどかったぞ。ホタテのふるいをジャカジャカかけながら、一服休憩の時間まで体をもたせることを目標にして、筋肉にムチ打ってジャカジャカやってたっけ。
それなら今の方が余裕なんじゃない?と自分に暗示をかけつつ、いつも一服休憩している時間に合わせて休憩した。
遠くに羅臼岳が見えるいい眺めは結構だが、汗が冷えると寒い。手もかじかんできた。気温がいつの間にか下がってきていた。
しばらく行くと、またもや笹藪がガサガサパキパキいっている。
前と音の感じが違い、一足に重量感がある。なんだか余計な音も混ざっている。
立ち止まって耳を澄ませば、藪の音と鳥の声しかしない。
目を凝らすと…見えた!
藪の間から、雄ジカの角が…(-_-;)
なんてヒグマの存在を恐れながら、「うーん、ヒグマは人間にとって必要な存在なのかもしれない。」と思った。
自分の命を脅かす生き物の存在を感じると、何だかとても謙虚になる。
昔の人が自然に敬意と畏怖を持っていたという話も、なんだか体感としてわかる気がした。
天敵が全くいなくても道に迷わない程には、人間はできた存在じゃないのかもなー。
なんてつらつらとりとめなく考えるのも、こういう一人歩きの醍醐味か!?
目を上げると遙か先の断崖に小さくなってずーっと延びる道と、その向こうの断崖にさらに小さく延びる道が見えるので、なるべく見ないようにしててくてく歩いた(笑)
気がつくとそんな道も、今の自分の足の下。
そんなこんなで、やった!着いたぞ峠!(^O^)/
車が沢山止まっている。人も沢山いる。
…しかし、古いトイレ以外何もないぞ(-_-;)手もかじかんでうまく動かない。
バスの時間もずっと先。
これは…峠から先も、ここで震えながら2時間も待つくらいなら、歩いた方がマシだ。
遙か先のR臼の海のカケラは、この先はもう見えない。
さようなら、R臼。
で、仕方ないからてくてく歩いて下り始めた。
峠の反対側になった途端、日差しがまぶしいくらいに雲がなくなった。
遠くには青々した海が見えている。気持ちがいい。
が、登りの時に比べてヤル気が低い分(笑)、疲れが大きい。足の裏がアスファルトに疲れて痛くなってきて、「今なら誰かが麓まで車に乗せてくれると言ったら、あっさり喜んで乗るな。」などと思ったりしながらも、R臼に比べて穏やかな気候の明るい道を歩き続けた。
一人で歩いていると、車では気づけないものを楽しめるのがいい。
鳥の鳴き声だとか、笹藪の音にビビったりとか、何十もある小川のせせらぎを堪能したり、車にひかれた生き物をリアルに見たりとか。
で、ついに午後2時、麓のネイチャーセンターまで無事に到達!
くたびれた~(+_+)
でも楽しかった!
もうこれ以上歩きたくないぞ。5キロくらい先の市街地まではバスで行くぞ。と思いながら、ついセンターからの散策路を2キロ程歩いてしまった(^-^;)バカだ自分。
見上げると、懐かしい知床連山の姿。それが見られたのが、たまらなく嬉しかった。
朝日の素晴らしい町から、夕日の見事な町へ。
民宿の窓の向こう、アイヌとオホーツク文化の民族の伝説残る岩場に、日が沈んでいった。
夜はちょっと高い缶ビールを買って、一人ひっそり祝杯を上げた。
ああ、良かった!(^o^)
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あわわ
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2006-10-05T01:20:08+09:00
2006-10-05T01:20:09+09:00
2006-10-05T01:20:09+09:00
ushimaton
ほたてにっき
書きたいことが多すぎて、しかしくたびれて書ききれん(-_-;)
とりあえず!
無事に半島を横切って、ただ今ウトロでございます(^O^)v
日記はおいおいということで、まずは報告でした♪
ひとまず、おやすみなさい(笑)
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最東端の待ちぼうけ
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2006-10-03T17:27:43+09:00
2006-10-03T17:27:43+09:00
2006-10-03T17:27:43+09:00
ushimaton
ほたてにっき
朝目覚めると、心配していた雨は降っていない。
やった♪いけそう!
…と、台所でお弁当用のおにぎりを作っていたら、
「まとんさん、雨だ!」
なにぃ!?(@_@)
みるみるうちにザーザーと雨が降り始めた。
なんてタイミング(T_T)
天気予報を見ると、
「…昨夜から降り続いた雨もほとんどの地域で止み、現在降っている場所でもあと2時間ほどで上がるでしょう。」
朝7時には家を出る気満々でいたのだが、少し遅らせて様子を見ることにした。
…止まない(-_-;)
予報なら8時過ぎには上がっているはずなのに、9時になっても10時になっても、止まない。
11時になっても止まない。
ついに、お昼になったが…止まない(T_T)
ここは北海道でも最東端の半島だ。いや、ホントの最東端は根室の納沙布岬だが、その北で同じくらい最東端なのだ(笑)
雨雲は、西から来て東に抜ける。つまり北海道で一番最後まで雨が降るのが、この辺り。というか大抵は日本列島の南西から北東に抜けるから、日本で一番最後だったりもする。
「台風がやっと過ぎましたねぇ!」とかテレビで言っている時にゴーゴー吹き荒れていたりする。
「道内で夜降り続いた雨」が、ここでは今朝始まったのだな、つまりは(-_-;)
すっかり荷造りも終え、持ち歩くのに邪魔な荷物は送るべく昆布箱に詰め、本もその中にしまってしまった。ああ退屈。
雨が今止むか今止むかと気にしながら、手持ち無沙汰に座っているのは、なんともアズマシクない(落ち着かない)。
結局、昼まで待ったところで、出発は明日に延期(+_+)
バスでなら簡単に行けるのだが、一昨日あたりからすっかり「歩いて峠~♪」と盛り上がっていたので、なんだか歩けないとなると「つまんねえ!そんなんダメだい!」という気持ちになる(笑)
観光船も結局出ないことになったし(T_T)
朝食を食べていたら、親方が給料袋を持ってきた。
実は、最後まで一度もはっきりした給料のことを質問しなかった。
はじめに電話で「だいたいこのくらい渡してる」という話はきいていた。その時給金額にも幅があって、ベテランさんと短期バイトの差だろうという予測はついたし、それでなんとなくの金額の計算はできていた。
で、親方が持ってきた明細を見てビックリ(@_@)
思っていたより多かったのだ。
ベテランさん達と同じ金額をいただいていた。
「一生懸命で、ずるいところがないから。」
あああ(T_T)ありがとうございます~!!何よりまずその言葉が嬉しかった!!
いや、お金も嬉しかったけど(^_^;)かなり困窮していただけに(笑)
ずるいところがない、なんて、この家の皆さんにこっちが言いたい。誠意のある扱いをしていただけて。
ありがたい形で最後に驚きをもらったよ(T_T)
親方達、時給制といいながら、計算を聞いてみると、わざと時間を少し多めに計算して、みんなに給料を払っているのだ。
一緒に働いているデメンさん達は色々。夫と若く死に別れ、子供と姑を養っている人、病気を抱えつつ独りで暮らしている人、子供の進学で都会に送り出さなくてはならない人などなど、みんな実は結構大変。
それをおくびにも出さず、むしろ「夫ない身は気楽だからな~!」などと冗談にしてしまう辺りがすごい。
そんな肝っ玉母ちゃんたちを、こっそり応援している親方達も、きっといつか良いことがあるに違いない。
だからみんなもあんなに真剣に働いていたのかもね。
…あ、やっと雨が上がってるぞ。
(しかしまとんのイキはなんか下がった)
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終わった!
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2006-10-02T20:39:45+09:00
2006-10-02T20:39:45+09:00
2006-10-02T20:39:45+09:00
ushimaton
ほたてにっき
今日は昆布が指に刺さって驚いた(@_@;)
磨いていたら、よく乾燥した昆布の切れ端が勢いよく指にザクッと刺さり込み、ポッキリ折れて、トゲと全く同じ状態になってしまった(-_-;)毛抜きを持ってきて、かなり苦労してようやく抜けた。
昆布って…刺さるんだ(笑)
さて、
ついについに、昆布も本日で終了~!!
これで、ここでの仕事が全て終わったことになる。
やっぱり、安堵と寂しい気持ち。でも本当、最後までできて、みんなともニコニコしてお別れができたのは、とてもホッとする(-.-;)
「実は、歩いて峠まで行こうかと思ってるんです。」
と私が発言したがために、今日は一日中、昆布を切りながら話題はその事ばっかりになった。
「バスで行けば?」
「峠まで送っていくよ?」
「いや…紅葉もいい頃だし、せっかくだから、歩いて行きたいと思って。熊の湯くらいまで送っていただいて…。」
「上まで車で行って、下りを歩けばいい!」
「いや…R臼を歩きたいんですよ。」(峠からは隣町になる)
「したって、ゆるくないんでない?」
「はい、もしバテたらすぐ、バスに乗っちゃいます♪」
「んだなあ。田舎のバスだから、バス停に行けなくても手ぇ上げれば停まってくれるから、間に合わなかったらそうすれ。」
「おにぎりいっぱい作っていきな。」
そんな話をしているところに、実家が隣町の民宿とかいうKさん登場。(Kさん一家はこの町に住んでいる)
「K君、まとんちゃんば民宿に泊めてやれ。空いてるか?」
「は!?(?_?)…知らない。実家の方がどうなってるのか俺全然…」
「いい、いい。わっちが電話してやる。」
気がついたらもう、おばさんが電話で話をつけてくれていた。Kさんに話す意味ゼロでしたな(^_^;)
「K君に民宿まで乗せて行ってもらえばいいんでない?」
「…えーと…」
「だから、まとんちゃんは歩きたいんだって。」「そうか。」
「熊の湯までなんて言わずに、5合目くらいまで連れてってもらえ。」
「5合目まで行くんなら、頂上まで…」
「だから、まとんちゃんは歩きたいって言ってんだから!」
…うーん、エンドレス(笑)
ともかくも、明日はそんなわけで横断道路を歩いて、少なくとも頂上くらいまでは行ってみたいなあと。
きつかったら、途中から、1日4本走っているというバスに乗ってしまおう♪と。
ただ天気予報が今ひとつなんだよなあ(-_-;)
思っていたよりもずっと、中身の詰まった楽しい1ヶ月あまりになった。
やっぱりこれだけわずかな期間だと、ちょっぴり顔を突っ込んですぐに引っ込めた、みたいなものだが、それでも住み込みでしかもこの道何十年とかのデメンさん達との仕事だったから、1ヶ月ばかしの割にはナカナカ漁業漁業しい(笑)体験ができた気がする。
浜言葉もかなり理解力がついた。
今日は、道南出身スーパー浜言葉のデメンのおばちゃんが、ものすごい話題(さすがにここにも書けない!)で長いストーリーを話していて、みんなが腹を抱えて笑い転げていたのだが、9割方は理解できた自分に妙に満足感を覚えたぞ。
毎日のおいしい魚介攻撃も受けられなくなるのだなあ。
とれたてのサンマの刺身がうまかった。あ、そういえば「牛負けた」の話をすっかり忘れてたな(^_^;)
今日のイカ刺しも甘かった。昨日のホタテのフライも…(続く)
まあ、短期間だからこそ楽しめた、っていう部分もあるのだけど。
都合悪い部分は首突っ込まなくていいとか、少しだけ住んでるだけだと他人事で済むものもあったりとか。
さっき夕飯で「最後なんだからシッカリ食べな!」と、よりどりみどりの食事をたっぷりいただいた上に、モチが3つも入った雑煮をいただいて、腹が重くて死にそうっす(+_+)ふ~ふ~。
さて、気持ちが軽くお腹は重たくなったところで、明日はどんな一日になることやら…。
写真は、記念に拾い歩いたちびちびホタテの貝殻コレクションであります。
きれいに洗うのに、割ったり穴をあけたりしてしまった自分の不器用さに苦笑しまくりだったよ。
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カウントダウン
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2006-10-01T20:49:36+09:00
2006-10-01T20:49:36+09:00
2006-10-01T20:49:36+09:00
ushimaton
ほたてにっき
倉庫で、昆布の汚れを歯ブラシでこすっていたら、ワイワイガヤガヤと話し声がして、一番末のぼんずが幼稚園姿で入ってきた。今から送ってもらうところらしい。
それから、幼稚園仲間の保護者らしき男の人。
「イヤーイャ、時間間違えたってか!?」とかなんとか話しながらドカドカ登場した。
デカい声。日に焼けた顔。パンチパーマ、ねじりハチマキに無精ひげ。
『漁師のオッチャン(イメージ)』というやつを本当に実体化したような漁師のオッチャンぶりだ。
心中ひっそりと感心した(笑)
私がシャカシャカ昆布をこすっているのを少しの間眺め、
「俺もここ横んなって、歯磨いてもらおうかなぁ。ガハハハハ!」
話す中身までイメージ通りだ。やるな、オッチャン。
ここまでイメージ通りなら、続くセリフは…
「でも俺アレだな、そのベニヤの台より、膝枕の方がいいな。ガハハハハ!」
ブラボーおっちゃん!あなたはホントに現実の人?(笑)
おっちゃんはその後、家の人とタバコをふかしながら魚の話などをして、それから幼稚園の遠足の支度をしているお嫁さんに
「今日は長袖だら暑いぞ。その青いハンモックの下に半袖着せれ!」
と言って去っていった。
それをいうなら“スモック”、幼稚園のスモックだ、オッチャン。でもオッチャン的には、間違ってるけど合ってるぞ。
それにしても誰も突っ込まないのは何故なんだ!?
たった一人こっそりとツボにはまっていた私だった。
などというのは余談で。っていうか私の文章は余談だけでできているようなもんだけど(^_^;)
人間の体は不思議なもので、ホタテでよく当たって硬くなるばかりだった部分の皮膚が、使わなくなったら2日くらいでカサブタみたいになってはがれかけてきた。
で、水を使いながら昆布を磨いているので、洗ってもお風呂に入っても、手が昆布ダシで煮つけたようなコクのある香りをほんのりと放っている。
さてついについに、終わりが見えて参りました!
大抵、仕事納めまでのカウントダウンというのは、一週間くらいから(場合によって1ヶ月とか前から指折り数え(笑))感慨深く「あと5日、4日…」などと数えていくものだが、ここの場合は「2、1、0」か「1、0」か、という感じ(^-^;)
今日の終了時の予測では、どうやら、あと1日で何とかなりそうな気配だ。
つまり、明日で終了!
そんなわけで、「しばらくゆっくりしていけば~?」などとも言われたが、明後日の朝には出発することに(さっき)した。
ホントに明日で終わるか、明日にならなきゃわからないんだけど(笑)
今週末に友達の結婚パーティー(二次会から参加)と翌日の法事が待っていて、それまでに帰宅することにしたので、あまりあちこち行く日程はない。
峠を越えて、半島の反対側をふらついて、それから隣の昔お世話になった町に顔を出して、あとは帰路につく。
昆布を磨きながら、なんとなくそういう予定をたてている、という話をしたら、デメンのおばちゃん達に訊かれた。
「Uトロ(笑)で民宿さ泊まるの?」
「はい、そのつもりです。」
「K君(ホタテで一緒に作業していた人)の実家、あそこで民宿してるんだよ。」
「そうだ、あすこさ泊まればいい!連絡してやっから!」
「そうなんですか!?(@_@)」
「観光船(半島の先まで行ってくる船)は乗らねえの?」
「はい…結構高いから乗らないつもりです。」
「乗ればいいよ。わっちの娘の旦那が観光船の船長してるんだ!連絡しといてやる。」
「えっ!そうなんですか!?(@_@)」
おお!?なんだか思いのほか、いろいろありそうな感じよ。
写真は、昆布のヒレかり(ハサミで両サイドを切り取る)をしている、メンバーで一番のベテランさん。
もう70に届くというのに、身のこなしの機敏なこと(*_*)
いつも色々と気を遣ってくれて、気持ち的にも助かりましたわ♪
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サクラと海
http://ushibiyori.exblog.jp/3448980/
2006-09-30T20:22:18+09:00
2006-09-30T20:22:19+09:00
2006-09-30T20:22:19+09:00
ushimaton
ほたてにっき
昨日の補足。
モザイクがかかったような微妙なピンヒラ動画だが、どうやら再生できてるらしいコメント♪
わーい(^O^)ってだからボケボケなんだって(-_-;)
解説を付け加えると、映像の勝負は始めの5秒!最初がいきなりクライマックスだ(笑)
同時に10カ所くらいでチビ玉が跳ね回っております。ユラユラゆれる水面の下をそーっとのぞいて見てみれば、保育所を出されたホタテが、みんなでお遊戯しているのであります。
勢い余って、水と一緒にこぼれ落ちるものもいる(^^;)
…やっぱりわからなかった方は、ぜひ実物を見に来年の9月、ホタテ養殖にどうぞ!(なげやり)
白状すれば、レンズに水滴か何かが付着していた模様( ̄口 ̄;)同じ時に撮った写真がみんな、ムーディーなソフトぼかし写真になっておりました(泣)
撮り直そうにもホタテはもうなし(T_T)
さて、本日で9月も終わり。
昆布はあと2、3日とみた。
なんだかんだ言って1ヶ月以上働かせてもらっております。
今は昆布についた汚れをひとつひとつブラシで落とす作業中。製品になるまでに、いろんな作業が必要なのね。
「あ~、サクラが出てきたね。」
「今年は多いんだわ。海の中に増えてるって事なんでないの?」
「また、いい昆布にばっかしつくんだわ。」
……サクラ??
「サクラって何ですか(?_?)」
「ホラ、これ。」
見ると、昆布の表面に直径6、7センチくらいの、確かにお花模様みたいな形にはっきりと色の薄い部分がある。
「ヤスデが張り付いて、なめるんだか食べるんだかわからないんだけど、こんなにするんだわ。前はめったになかったんだけどねぇ。」
ヤスデとはヒトデのこと。
今扱っているのは養殖ではなく、天然昆布。
海底に生えているから、ウニやヒトデなどに食べられてしまうのだ。
例年の半分くらいしか穫れなかった上に、そんな変化もあったりして、海の中でどんなことが起きているのかのう?
因果がハッキリ見えないのがまた、漁業の特徴なのかも。
家の裏手を見たら、鹿が3頭も来ていた(@_@)
…と報告してみたが、みんなあまり気にしない。鹿も、一応それとなくこちらを警戒しつつも、足元の草を食べ続ける。
私以外にはまったく「日常」な訳だね(^^;)
ほらね、「防シカネット」役に立っているでしょ?(小さい写真ですんません)
とか言いつつ、実はネットの内側にも頻繁に侵入されていたりする。
「菊を食べられた!」とおばさんが嘆いていた。仏花の入手が、この辺りの人々のちょっとした悩みの種なのだ。
エゾシカは、夏の間だけ背中に白い水玉模様の毛になる。
今日見たのは、なんだか微妙にブチが消えてきて、黒っぽい毛並みになっている鹿たちだった。
生え変わりの時季かな?
ちなみに、写真は本当に家のすぐ裏なのだが、小さな庭の向こうはもう鬱蒼とした森とかなり険しい急斜面。まずほとんど人は入らない。
考えてみると、ここでの人の生活範囲、鹿よりずっと狭いのだなぁ。
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動け!ピンヒラ
http://ushibiyori.exblog.jp/3441740/
2006-09-29T20:11:36+09:00
2006-09-29T20:11:36+09:00
2006-09-29T20:11:36+09:00
ushimaton
ほたてにっき
風オバケ
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2006-09-28T20:04:56+09:00
2006-09-28T20:04:57+09:00
2006-09-28T20:04:57+09:00
ushimaton
ほたてにっき
ものすごいうなりの音で目覚める。風と波だ。
ゴーゴー、ドドン、窓に何かが当たってパチパチ、扉が風圧でガタガタ。何かが外を転がってガランガラン…。
海はウサギも演歌歌手も逃げ出す大荒れだ。これじゃ十五少年漂流記かポセイドンアドベンチャーだ(観たことないけど)。
この荒れようでは、船は何日かは出せない。浮きの下のベビーホタテ達も目を回しているに違いない。私がホタテだったら酔って吐いてる(笑)
昨日の午前中だけが奇跡的に波がおさまって最後のホタテができて、本当にラッキーだった。
昨日の不吉な夢も正夢になりかねなかったぞ(-_-;)
今日から家の横の作業場で昆布の予定だったのだが、それすら中止になった。近所のデメンのおばちゃんたちすら家から出られないし、昆布がしけってしまうから。
ホタテの作業場は海岸線を30分走った海辺まで出向く(ていうか海岸線の道一本しか道はない)のだが、昆布は家の隣と前の浜が作業場なのだ。
ものすごい音が気になる。でも窓を開けるのも怖い。
「ちょっとだけ!」と、扉を少し開けて家の前の海を見た。
波ゴーゴーの写真を撮ろうと、外に出て扉に張り付いて写真を撮り、すぐ引っ込んだのだが、いつの間にか親方が様子を見に来ていた。
「なんか下から風がきたからよ。どした?」
この家は高床になっていて、普段私が使っているのは一番下の階の扉なのだが、少し扉を開けても上にわかったらしい。
ご心配おかけして(^^;)
その割にいい写真撮れなかったし。
普段は「これ意味あんの?」と思うような、海岸の波消しブロックから、砕けた真っ白い波がその先の番屋にぶつかっている。
そういえば、ホタテの作業場からここまでの途中、道の海側(山側は断崖)に、風よけか波よけの金属製のフェンスがずっと続いている場所がある。それが2、30メートルに渡って壊れ、曲がった骨組みだけになっていた。
「事故か何かあったんですか?」ときいたら、
「ううん、波だよ。」と言われた。
「正月じゃなかったかな。この辺はね、波ったらすごいのさ。」
波もすごいが、R臼の大風は、知る人の間では有名なのだ。
知床連山から吹きおろす風が、車の扉も開かないくらいに吹き付ける。屋根が飛んだりもする。
私が自転車でこの町に来て、海岸から4キロほど横断道路を登った野営場にキャンプしていた時のこと。
すでに何泊かが過ぎていて、周りの他のキャンパー達とも仲良くなっていた。
ちょっと離れた場所に、キャンピングカーで来た大学教授、元大型帆船乗組員の旅好きおじさん、会社社長ただし倒産して現実逃避中のおじさん、という、「ちょいワル!?おやじ3人組」(平均年齢還暦)という人々がいて、けっこう仲良しになった。
中でも帆船おじさんは毎年ここに来ているようで、色々詳しい。
その日は昼過ぎから天気がぐんぐん悪くなり、風や雨がはらはらと始まった。
自転車を木に縛り付け、テントのペグを打ち直して備えていたら、おじさんが来て、
「風が強くなってきたでしょ?これが『R臼おろし』だよ。」と言っていった。
その晩。それはやって来た。
まずはひたすら雨雨雨。まとめて降りまくり、テントの下が池になった。
水こそ入ってこないが、銀マットを押すとタプンタプンと波打つウォーターベッド状態だ(-_-;)
なんとなく心細くなりながらいると、急に風が強くなってきた。
すぐ、それは「強風」から「突風」に変わった。
キャンプ場を囲む山や谷間の遠くから、スゴ味のあるゴゴゴゴゴゴ…という低い音が響いてきて、木々がものすごい音で揺れている、と思ったら、信じられないような突風がテントにぶち当たった。
小さな一人用のドーム型テントがぺたんこにたわんだ。中でびっくり仰天した私は、とりあえずテントが潰れないように、慌てて中から押さえた。
風は数十秒の間猛烈に吹き、呼吸をするようにふっと止む。それからまた、遠くから恐怖の重低音と共にぶつかってくるのだ。
全力をかけてテントを押さえるのに、たまに風に押されて転がってしまう。途中、風の隙をついて、大急ぎでテントの向きを変えて風の当たりを軽くさせてみた。それでもやっぱり、風との闘いが続いた。ひっくり返ればその隙にどこかがバリバリっと音をたてる。
本気で怖かった。日本にいて、風をこんなに恐ろしいと思うことがあるなんて、思いもよらなかった。
長すぎる夜が明けた翌朝、テントを開けて静まり返ったキャンプ場を眺め渡すと、近くのファミリーテントはみんな潰れて消え去り、ライダー達の簡易テントは破れてポールが突き出したり、中の人たちがトイレなどに避難している間に、山の中に飛んでいってしまったりしていた。
私のテントのポールも折れていた。
ものすごく衝撃的な出来事だったのだ。
そして、それで私は、知床(とくにR臼)に惚れ込んだ(笑)
そんなことを思い出す、今日の天気だった。
山の紅葉みんな飛んでいったって(;_;)ていうか青い葉っぱもちぎれまくりの飛びまくりだったぞ。
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ふぁいなるな日
http://ushibiyori.exblog.jp/3426980/
2006-09-27T20:17:42+09:00
2006-09-27T20:17:42+09:00
2006-09-27T20:17:42+09:00
ushimaton
ほたてにっき
海岸ぶちにおばさんと立っていたら、親方が軽トラでびゅ~んと走ってきて停まった。
「時化やまないねぇ、お父さん。」
「ダメだ。これは当分収まらねえ。しばらくは仕事なんねえぞ。」
渋い顔でそう言いながら、窓に腕をたらしている。
「…んだから、今からまとんさんば町まで送ってくわ。あと1日だから、俺らでもなんとかなる。」
ええっっ!?!?(@_@)いきなり終了!?
あわあわあわ、まさかそんな話になるなんて予想もしていなかったから、まだ何も帰る準備してない!
…と慌てふためいたところで目が覚めた(@_@)
夢でした(^_^;)
そんな夢から覚めた現実は…おおっ、波が収まってる!
全道的に波の予報が今ひとつな本日だったが、ここは何とかできそうだ。
一年で一番忙しく、気持ちの負担にもなっているこの作業が終わるということで、みんな余程ほっとするようだ。仕事しながらもいつもより大きな声で話をしたりしているように感じる。
ひと月前に一番ちいさな網目の篭に入れたチビチビホタテ達が、早くも保育所卒業でもっと大きな目の篭に入学だ。
もっと大きくなったら、また篭を変える。その繰り返しで大きく育てる。
風が出て、波もまた高くなってきた。あと少し(>_<)みんな慌て出す。
篭からガンガン出して(出すときに棒で篭の枠をガンガン叩くのだ)、ジャカジャカふるいにかけて、新しい篭に入れて、船に積んで沖に持っていって。
保育所だった篭を機械にかけて洗って…最後だなあ。
使わなかった篭(畳んで縛ってあり、「ざぶとん」と呼ばれている)を積み直して…いよいよだなあ。
がらんどうになった倉庫を掃き掃除して…だんだん寂しくなってくるなあ(^^;)
で、本日無事に終了いたしました!
\(^o^)/ばんじゃーい!ホタテ最後までやれたぞう!
見ると海はまたウサギがぴょんぴょん跳ね出していた。やれやれ、間に合った。
ほっとした一方、やっぱり寂しくもあり。
あと何日か、昆布の作業は残っているが、ひとまずみんな、一区切りの様子だ。
「ついに終わりだね、オネッチャン。」などとみんなに言われつつ、私も「お世話になりました。」と皆さんにお礼。
家に戻って、いつものように夕食で呼ばれて行くと、今日は焼きサンマなどのほか、洗面器に無造作にゴロゴロと茹でた毛ガニが山盛りになっていた。
もらいもの。
んもうR臼ったらステキ(笑)
「カニは食うのが手間でなあ。」と手を出さない人々もいて、むしろサンマが人気だった(^^;)
子供らが「パパ、カニやって!」とカニを持って走り回っている。
「パパ!ミソ食べたい!」「僕も、ミソミソ!」
ここのチビスケどもは、カニミソが好き。エビも頭のミソが好き。イカのゴロも好き。
私は大人になるまで食べなかったぞ(*_*)
が、ここならチビスケたちのミソ好きもわかる。とれとれの新鮮なものしか食べていないから、臭みがなくてうまいのだ。イカのゴロ焼きとかマジ最高ッスよ。
そんな訳で、今日は私もいつも食べないカニミソまでしっかり食べて、丸一匹制覇♪身がよく詰まっていて、とってもおいしかった。
腹パンパンだー(+_+)
こんな生活すればするほど、この後の人生逆に不幸になってそう。
特にホタテ、「違う、こんなんじゃない。」とか思うようになってたりして(^-^;)
なんて、舌のいい加減さには自信があり、すぐさまホドホドの鮮度で十二分に満足するようになるに違いないとは思うけどね(笑)
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浜とブラジル
http://ushibiyori.exblog.jp/3419427/
2006-09-26T20:32:47+09:00
2006-09-26T20:32:48+09:00
2006-09-26T20:32:48+09:00
ushimaton
ほたてにっき
いつもまるで瀬戸内海のごとく(イメージ)波のない海岸なのだが、昨日に引き続いての演歌みたいな大きな波とうねりで、本日もホタテできず。
「あと1日なのに…。」
「あの祭りの日に休みにした分の一日だ…。」
「先に昆布が終わったりして…。」
「このまま波が収まらないでみんな出稼ぎに行ってしまったら…。」
などとさまざま喋りながら、昆布をジョキジョキする人々。
昆布切りを終えた私は、ひたすら切った昆布の箱詰めをした。
昆布によって、規定の重さだと箱からはみ出るくらいになってしまうものとか、うまく押さえながら重ねるとビッタシになるとか、そういう地味なところで妙にハマって、ひたすら昆布重ねに熱中。
あぁ、こんなに急いでやってしまう自分、この作業もあと1日いらないくらいだなあ。まだ仕事あるかなあ。…などと考えつつまた一人タイムアタック(笑)
終わりの日は迫り来る。
「こんな思いしてもらったジンコだら使われないべ。貯まるんでねが?」とデメンのおばちゃん。
ジンコ→銭コ→お金。
「使われない」「動かれない」などは北海道弁で「使えない」「動けない」などの不可能を表す。
言葉も、ずいぶんわかるようになってきた(笑)
「まとんさん、沖にウサギが跳ねてたってよ!」
「ふふふ、知ってますよ。白い波頭の事ですね。」
「じゃあ、シタギがあったよ。」
「…シタギ(?_?)」
「そう。タマの下につくんだわ。」
「トランクス?ブリーフ?」
(シタギ→雨や風で波がある状態らしい。タマ→丸い浮き)
浜言葉の理解スピードが上がったが、はじめの頃からずっと彼女たちの会話を聞いていて思い出していた言葉がある。
それは、ポルトガル語。
メキシコやベネズエラなどのスペイン語圏から、ポルトガル語を話すブラジルに入った時。
隣国ベネズエラで、「ポルトガル語とスペイン語は80%同じだから大丈夫!」と言われた。
スペイン語だって現地で覚えたわずかなもんだったが、半年以上をなんとか生き延びていたから、旅行に必要な言葉くらいならどうにかなる気でいた。
が、いざ入国すると、すぐ「なんじゃこりゃ~!(@_@;)わかんね~(T_T)」状態になった。
後になってコツをつかむとナルホドだったが、耳で聞いた言葉はまるで違ったのだ。
発音が違うのもあるが、ポルトガル語は言葉の抑揚がとても大きいのだ。
日本語に似てパキパキした発音のスペイン語と違い、数学のサインコサインのグラフを思い出すような抑揚の波と、シャウシャウ聞こえる鼻にかかった発音が、最初なんともおかしく聞こえた。
が、耳に慣れると、今度はなんとも心地良く、聞き惚れるようになるから不思議。
後で、仕事の同僚になった日系ブラジル人の子が、
「ポルトガル語は一番美しい言葉だって。歌うたってるみたい言われるね。」と言っていた。
ここでのおばさん達のおしゃべりを聞いていると、ポルトガル語のやりとりを聞いているような気分になるのだ。
言葉の抑揚が大きく流れるようで、気持ちの良い波がある。
歌のようにも思える。
そんな訳で、音を聞いているだけでも楽しい。
しかしてその内容は、留守中にアキアジを置いていったのは誰だとか雄鹿の金玉が大きかったとか(^-^;)
発音のクセや基本の単語から覚えて、理解できる文章が増えてくるあたりも、なんだか外国語みたいじゃないか、浜言葉(笑)
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おかなみの高い日。
http://ushibiyori.exblog.jp/3411710/
2006-09-25T20:36:23+09:00
2006-09-25T20:36:23+09:00
2006-09-25T20:36:23+09:00
ushimaton
ほたてにっき
ホタテもついにあと一日分!!
…というところで、台風のあおりで波が高く船が出せなくなった。
申し分ない上々の天気がもったいない。洗い物(チビチビホタテが入っていた網の篭を洗う)もさぞかしよく乾くだろうに、沖から引き上げてこないことには洗えないし(-_-;)
で、今日は小屋にこもって昆布切り。
パリンパリンに乾いた昆布をバチンと切りまくる。たまに切れ端をもぐもぐ(笑)
プラスチック製の大きなコンテナにどっさり、切った昆布を詰め、いっぱいになったところで親方が登場。
「入れ物換えるか。これ隣の部屋に持っていこう。」
「はい。」
二人でヨイショと持ち上げ、隣の部屋へ向かう。
入り口のところで、後ろ向きの状態で先に入った親方が、履いていたサンダルを脱いだ。
この部屋は靴を脱ぐのだな、と、私も靴を脱いで入った。
それを見た親方、
「靴いちいち脱がなくても入っていいぞ。足真っ黒くなっちまうぞ。」
え?だって……。
振り向いて入り口を見ると、親方のサンダルは一つだけが転がっている。
「俺のは、入り口に引っかかって脱げたんだ。」
( ̄□ ̄;)
などと小ネタを披露しつつ、バッチンバッチンと昆布切りまくり。
平らにのしていない昆布なので、丸まっていたり畳まさって(北海道弁)いたりして力がいるため、だんだんハサミの取っ手が当たる部分が痛くなってくる。
持ち方を微妙に変えて、当たる場所を微妙に分散させながら切った。
以前の自分なら、若さの回復力を味方に、多少の体の無理は相手にしないで動いていたのだが、こっぴどい筋肉痛などを経験するうちに、早め早めに無理のかからない体勢を探すようになってきた(^^;)
猛烈に働きまくるつむじ風みたいなお嫁さん(ホタテで私と同じ仕事をする事が多い)に、
「この場所、手が痛くならない?」ときかれたことがあった。
見ると、ふるいを持つときに当たる部分が痛むらしい。一日中ジャカジャカ振りまくるからねぇ。
言われてみると自分、ちょっと痛くなってきたらすぐに持ち方を上にしたり下にしたり、無意識にごちゃごちゃ変えていた。
しかも、よくこすったり何かに当たる事の多い部分に気がついたら、すかさずカットバンを前もって貼ったり(^^;)
以前、働き者代表みっちゃんが言っていた言葉を思い出した。
「動くのが面倒とか言う人って、そのかわりに色々考えつくと感心することがある。私だったら、多少手間でもそのまま動いて何とかするようなところでも、気がつくと“便利アイテム”を発明して楽に動けるようにしていたりする。」
状況はちょっと違うけど。
体を動かすことを厭わないここのお嫁さんは、体にすごく負担のかかる体勢での仕事でもそのまま何時間も続けていたりする。誰かに交代すると言われても聞かない(^^;)
確かに、私だったらきっと、いかに中腰の体勢を避けるか、とか、どうすれば一番ラクに作業をこなせるか、とか、そういうことばかりに頭を真剣に働かせながらやりそうだ(笑)っていうかやってるかも(^_^;)
怠けるって意味じゃないんだよ!(弁解)
だから体脂肪あるのかな~。
しかもそれでも筋肉痛だしね(笑)
まあそんなで。
ホタテを始めて、かなりすぐさま、ホタテの貝の縁で指を切ったのだったが、今日は乾いた昆布の束を担いで持ち歩いていたばっかりに、両腕気がついたら傷だらけ(@_@)
昆布で切れるんだね~。
さあ明日も筋肉痛予防に抜かりなくストレッチで朝を始めるわよ。
傷つくことを怖れない青春時代は過ぎ去ったということね(^_^;)
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気になる男
http://ushibiyori.exblog.jp/3403084/
2006-09-24T19:43:53+09:00
2006-09-24T19:43:53+09:00
2006-09-24T19:43:53+09:00
ushimaton
ほたてにっき
いちおう札幌育ちなので、小学校では北海道の歴史も勉強したはずなのだが、6年くらい前まで『松浦武四郎』の名前に聞き覚えはなかった(^_^;)
以前少しだけ書いたが、松浦武四郎は江戸時代の探検家で、北海道や樺太をくまなく歩き回り、地図や詳細な各地の記録を残した人だ。
『北海道』という名前の名付け親でもある。
私がこの名前を覚えたのは、道東の自転車旅行中、立ち寄ったあの町この岬、あちこちの片隅に、彼の足跡を伝える碑や解説の看板があるのを見かけたからだ。
うーむ、ここにも先を越されたか。こやつ、なかなかやるのう(笑)などと思いながら、その説明書きなどを読んだりしていた。
この町にも来ていて、今は珍しい「ひかりごけ」の群生地として観光スポットになっている洞窟で一泊したらしい。
(写真は洞窟の岩壁の下から)
その後かその前か、船で半島も回ったそうな。
先日読み終わった司馬遼太郎の『オホーツク街道』に、彼についての記述があったのには喜んだ。
気になる男・松浦武四郎は、根っからの探検家であり、後世「民族学者の鑑」とも呼ばれたりしているのだそうだ。
伊勢に生まれ、17歳で諸国遍歴を志して家を出、土地の知識人に印を彫っては旅費をもらい、日本中を歩き、日本中の名だたる山にすべて登り、それから禅宗を学んで一寺の住職にもなった。
が、28歳で、蝦夷地に行きたいが為に今度は樺太に赴任する幕臣の草履取りになってしまう!
で、樺太調査の後で、幕臣とわかれて北海道を歩いたそうな。
つまり幕府に名を受けた訳でも援助を受けた訳でもなかったのだ。
うーん、なんて型破りな生き方。
松浦武四郎は北海道とアイヌをこよなく愛した。30歳で幕府に、蝦夷地での松前藩の暴政を暴露し、藩によるアイヌ搾取の現状を訴えたという。
どこかで彼の書いた知床の地図を見たなぁ。
彼はアイヌ語を話し、アイヌと共に歩いた。ゆえに、土地土地の記録は、彼らに聞いたアイヌ語の表記が多い。
知床も、今も山や川や岩や谷や、とにかくカタカナや謎の当て字漢字のアイヌ語だらけ。
で、ふと思った。
今も北海道の地名はアイヌ語起源のものがとても多い。
その土地にいたアイヌの人々が使っていた名前をそのまま使っているのだろうな、と、あまり疑問を持たずにいたが、よく考えたらちょっと不思議かも。
入植してきた和人は、それほどまでにアイヌと溶け込み仲良く暮らしたのだろうか?
例えばアメリカなんかは、ほとんどが英語やスペイン語の地名になっている。
ひょっとしたら、北海道にこれだけアイヌ語の地名が残ったのは(アイヌ語そのものはもはや消え去りかけているのに)、松浦武四郎などの探検家が残した詳細な記録の力が大きかったのかも!?
なにしろ彼のつけた『北海道』が今でも使われているくらいだから、きっと記録も後の世に影響はあっただろう。
無教養を暴露するようなつたない考えだが、ふとそんなことを“感じた”この頃でありました。
松浦武四郎イカス。
ただ「好きで諸国見て歩きまして。」の人じゃない。
ものすごいバイタリティと好奇心と行動力を燃料に、でも自己満足に終わらず、大いに人々の役に立ち学問的価値を持つものを作り上げた。
帰ったらちょっと調べてみようかなぁ。
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ニコラス
http://ushibiyori.exblog.jp/3395990/
2006-09-23T20:44:11+09:00
2006-09-23T20:44:11+09:00
2006-09-23T20:44:11+09:00
ushimaton
ほたてにっき
「変わり映えのしない食事ですが(^_^)」などと言われながら、夕食の席に。
これおいしいよ、と、シャケの切り身をすすめられた。
確かに!脂が乗って柔らかく、すっごくおいしい。いつもシャケの皮は残すのだが、皮まで食べてしまった。
食べながらおじさん達が
「ただもんじゃねえな。これ鮭児だな。○○さんからもらったのか。」
「そう。」などと話している。
鮭児(ケイジ)!!
テレビのグルメ番組なんかで大騒ぎして探して、芸能人が大げさなリアクションで食べたりしている、幻の鮭じゃないか。
そりゃうまいわ。
しかももらったって…。
仕事も食卓も新体験てんこ盛りー。
と昨日に引き続いて食卓話だったが(^^;)
先日道の駅の土産物屋で、なんかこんなものを買ってみた。
北海道ポテトチップス『知床』。
裏には名所の解説などが写真入りで載っていて、普通のポテチより若干高い。
そして『知床しそキャラメル』。
知床の名物がシソなんて初めて聞いた。
以前とみちゃんが「ホントにマズい」と言ってみんなに振る舞った『北海道ジンギスカンキャラメル』の姉妹品だ。
しょーもない(-_-)といいながらつい面白がって買ってしまった上に、500円の日帰り温泉に行き、実に豪遊した一日だ、などと思った小者な自分だった。
ポテチは予想通り、普通のポテチ。解説も普通の解説(笑)
キャラメルは、甘いキャラメルにしそエキスを混ぜ込んだような味がした。
ってそのまんまやん!
微妙~。ジンギスカンキャラメルよりはまともな食べ物だけど…。
ジンキャラ(笑)は、甘いキャラメルにラム肉エキスを混ぜ込んだような味だった(*´Д`)
絶対「これ超うまい!」と思うものではないと予想がつくものでも、ついつい手を伸ばす自分てアホかな?と思うこともある(笑)
でも、なんか妙にそういう友人が多いような気もするぞ。
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さかなさかなさかな~♪
http://ushibiyori.exblog.jp/3388467/
2006-09-22T19:23:24+09:00
2006-09-22T19:23:25+09:00
2006-09-22T19:23:25+09:00
ushimaton
ほたてにっき
お昼ごはん。
なにか白身の魚のブツ切りの塩焼きが出ていた。
人数が多いので、いつも何種類ものおかずがてんこ盛りになって食卓に並んでいるのだ。
「何かな~?…サバ?」と考えながら食べていたら、
「シイラか、これ?」
「うん。」
との会話。そういえば朝に「シイラが穫れてるんだね。」「海があったかいと穫れるんだ。」と話していたっけ。
おお!!これがシイラだったのか!!
と、一人で感動した(*_*)
何年か前に、例によって105円で買った古本、ヘミングウェイの『老人と海』に出てきた魚じゃないか!
なにしろ文学とは程遠い人間なので、単にキューバつながりというだけで(キューバに旅行したから)内容も全く知らず、期待もしないで(^^;)読んだらなんか面白くて、妙にはまったのだ。
シイラは話では全然重要じゃないのだが、なんか印象に残った。
キューバの海が舞台なのだが、こんな北の海でも穫れるんだぁ。すごいすごい(何が?)
ちなみにシイラの別名「まんびき」だって。九州に行ったとき魚の紹介パネルに書いてあった。
余談だが、『老人と海』は、「この後どうなる?」と手に汗握る系の物語なのだが、読んだ後で文庫の裏表紙を見たら結末までボロっと書いてあった。なんとなく腹立たしいので表紙をはずしてしまったよ(^_^;)
ここに来て毎日魚を食べている。
食卓には魚以外の肉料理なども大抵乗っているが、私の箸が伸びるのはつい、魚。
この家の本業は養殖なのだが、漁師つながりでいつも新鮮な魚があちこちからもらわれてやって来る。
イカの刺身が、透明なのだ。昔イカ釣りに連れて行ってもらってわかったが、「まだ生きてる」というくらいの時に刺身にしないと、こんな風に透けた刺身にならない。
脂の乗ったいいサンマ、ホッケ、マスやシャケ、それに自分らのホタテ。
写真は、稚貝の入れ替えついでに上げてきたという、3年もののホタテ。
こんなに大きくなるんだね、ベビーたちよ。
新鮮なホタテだったので、なんと刺身にした後もまだ動いていたらしい(@_@)
お嫁さんに「札幌だと、魚はやっぱり、買うの?」と訊かれた。
買うの?って、買いますとも。日本のほとんどの人々は、透き通らないイカや動かないホタテを、お金を出して買っていますとも(^o^;)
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