人気ブログランキング | 話題のタグを見る

信じる?

おばけとか、UFOとか、超能力とか、信じる人?

私は全然信じない人で、そういう自分に何の疑問も持った事はなかった。
最近は見なくなった、UFO特集番組などをテレビでやっていると、「なんだそりゃ!ただの光の反射じゃん?作り話じゃん?」などと突っ込みまくるし、最近ちょっと流行の霊能力の番組なんかも、「いんちきだー!事前に調査してやってるだけじゃん。」とむしろイライラしながら見ていた。(っていうかあまり見ないんだけど…)

その割に、仲の良い友人が「居眠り運転をしそうになった時、死んだお父さんが夢に出てきて、お父さんに起こされた」って話をしたときはすごく感動したし、全然自分の「霊感」なんて話をしないような友人の見た不思議な話は信じたりする。

「宇宙人はいない」とは思わない。
いや、宇宙“人”かどうかはわからないが、この宇宙のどこかには、地球のように不思議な「いのち」が存在するところは、きっとあるのだろうと思う。
太陽は、宇宙の何千億もある(いくつか知らないが)星の中で、とても平均的な星だ。
つまり、宇宙には太陽とそっくり同じような星がすごーく沢山ある。
惑星が存在するのも、宇宙ではまったく当たり前な事だ。
ということは、ほかに地球に似た惑星が存在しないという方が、むしろ強引な考え方だと思う。

だが、「宇宙人が地球に来ている」かどうか、というのは別な話。
むしろ、ジョージアのCMみたいに(笑)「地球に宇宙人が紛れ込んでる」、という話を本気にしている人のことをかるく軽蔑していたりした(^^;)

だが、この前読んだ一冊の本で、何かがちょこっと、変わった。
「信じるようになった」というより、「信じる・信じないの不思議」に気がついたというか。

信じる?_f0032403_1713284.jpg読んでいたのは、この本。
何度か記事にしてきた森達也さんの文庫本で、『職業欄はエスパー』(角川文庫)。

テレビ番組のディレクターとして、『超能力者』を自称した人々のドキュメンタリー番組を作ろうと取材をした数年間の記録だ。

森達也は、『超能力者』というものがいると思っている訳ではない。
ただ、「自分は超能力者である」、という肩書きと一緒に生きている人、その人そのものに興味があり、彼らの生活を知りたいという思いがあった。
だから、“自称・超能力者”達が、本当に超能力者であるという必要はない。
例えば自分が本当は超能力者ではないと知っていても、または客観的には明らかに超能力などはなくても、そういう自分との葛藤を感じ取れればそれもいい。

そういう思いで、自分の選び出した3人の超能力者達との接触が始まる。
「私は、超能力が本当にあるかどうか、わかりません。」
という森さんの言葉に、
「健全なことです。実際に見たことがないのに信じるのは不健全です。」
と答える“超能力者”たち。

そして、彼らと一緒にいる事で、とても信じがたいような不思議な現象を何度も目の当たりにする。
だが、そのあらゆる場面で、「そこまでありうる!?」というくらい、あらゆる「超能力以外の」可能性を考えながら、ものすごく慎重にそれに対面する。
それでも、どうしても説明がつかないようなことも、起こる。
「それなら信じる?」かというと、やはり、「わからない。」
それから、「ものすごくホントっぽいけど実はトリック」という人々にも、たくさん会う。

その一方で、「超能力を信じない」人々の、不思議な“過剰反応”に気がつき始める。
超能力や幽霊などという言葉に対する、激しい拒絶。
科学的な根拠に基づいた否定という立場をとりながら、ただの『科学的反論』ならばそこまで言う必要はないのでは?というくらいの、激しい“憎しみ”が、なぜか存在する。
しかも、普通に考えて「その説はかなりおかしくないか?」というような説明をひねり出してでも、とにかく必死に否定する。
テレビによく出てくる、有名な“アンチ超能力”の教授は、「科学的に調べてください」という依頼を最後まで断る。

なんだろう?なぜなんだろう?

信じる?_f0032403_17543425.jpg文庫の裏の紹介文に、
『読み終わった時、世界の見え方が少し違うかもしれません。』
という言葉があった。

確かに、少し、違ってきた。

自分の中の、“超能力”などへの必要以上の嫌悪感の存在に気がついた。
そして、「わからないこと」を、頭から否定して攻撃する事が、実はちっとも科学なんかじゃないってこと。
わからないことが実際に存在するかもしれない可能性。

明らかに突っ込みどころ一杯の人や本や番組も、もちろんある。
が、すべての「そーいう事象」をひとまとめにして感情的にこき下ろす気が、全くなくなってしまった。

これは……かなり、面白いっす。
思わぬ視点のチャンネルが一つ、広がるような気がする。
うまくは説明できないが、この“ちょっと変わった好奇心の持ち主”である森達也の、好奇心の発掘物を、ぜひとも読んでみてもらいたい。

弱い光に目を凝らし続ける、という森達也。
『何故なら強い光源は他の光を隠す。小さいものや弱いものや薄いものを、押しつぶして扁平にしてしまう。』
この視点を、私は支持する。


ちなみにこれを読んでいたのがみっちゃんの家にいた頃で、この本を読みながら私が
「滝つぼから首がポンポン跳ねてるのが見えるんだって~。」とかよく話をして、みっちゃんをちょっとビビらせていたのだった(^^;)


どうなんだろう、本当にいるんだと思う?

(と、みっちゃんちでも何回も繰り返していた(笑))
by ushimaton | 2007-02-08 18:38 | おすすめ!


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


by ushimaton

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

☆★うしまとん★☆

 生まれと育ちは北海道

 震災被災地にお手伝い
 行っております

 コメントの返事が
 とどこおりがちですが、
 嬉しくありがたく
 読ませていただいています

 自分のブログの更新する余力がなかなかなくなってしまいましたが、日々の報告メールをこちらに出しております。
災害移動支援ボランティアRera


 
☆★リンク★☆

うしのつむじ
 牛の版画
ひまわりの家から
 手作り&子育て(休止中)
シーラチャーからこんにちは
 タイ子育て日記(移動前)
モロッコ雑貨 リヤド
 モロッコ雑貨とフェアトレード
うさぎのなみだ
 珠玉のひとこと日記
寺田本家
 千葉のおいしい造り酒屋
++明け烏++
 創作小説&日記
彷徨う語り鬼たちの杜
 創作小説
カナダ大平原のファームからの便り
 カナダの牧場
Cowbell's diary
 北海道の放牧酪農
照長土井の長岡日記
 但馬牛
北海道発 真っ赤なトマト
 激うまフルーツトマト
酪農生活100
 新サイトもあります
花のまわりをあるく歌
 手作り&子育て
打弦人生
 ハンマーダルシマー
フィールド オブ ドリームス
 関東の放牧酪農
Nayaカレンダー
 珈琲・カレー・天然酵母パン
うしカメラ
 牛写真家の牧場訪問記


◆笑いでウルオイを◆

ほぼ日刊イトイ新聞「言いまつがい」
虚構新聞

お気に入りブログ

代官山駅前日記
空を見上げて
バイオマスおやじの日々
ちょっとだけ大根
AZUのサンへーブログ。...
そらまめ~北海道便り~
世界は知らない事ばかり
なかじまや

以前の記事

2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
more...

検索

ライフログ


ナヌークの贈りもの [PR]


ともだちは海のにおい [PR]


いのちの食べかた [PR]


神さまってなに? (14歳の世渡り術) [PR]


ムーミン谷の冬 (講談社文庫 や 16-5) [PR]


どうぶつさいばん ライオンのしごと [PR]


ことりをすきになった山 [PR]


ぐるんぱのようちえん(こどものとも絵本) [PR]


HARD TO FIND Vol.2 [PR]


あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ [PR]

カテゴリ

つらつら
気になること
おすすめ!
ともだち&チビッコ
自分のこと
うち
ウシ話
旅のそら
まきばにっき
ほたてにっき
はたけにっき
みなみにっき
東日本大震災

タグ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧