知っているから
ちゃんとした記事がなかなか書けぬまま、ごーごー流されるみたいに毎日が過ぎていってしまうので。
小休止中の今、ちょっとまとまった記事を書こうかと思う。
私が今、お手伝いさせていただいているのは、札幌の障害者福祉団体がメインになっているグループ。
市内の方が善意で貸して下さったお宅に拠点を置いている。
活動内容は、移送。
震災で、とても多くの人たちが車を失った。
電車も止まったまま。
そういう、移動する術を失った方達の通院や入浴、買い物などの移送をするのが役目だ。
障害福祉系団体なので、車椅子の固定できるリフト車、ストレッチャーのついた救急車をメインに走っているのだが、移送する対象は今のところ限定は無く、被災されて移動する術を持たない人なら誰でも送迎している。
車も人も足りなくていっぱいいっぱいですわ(+_+)
震災後1mだか地盤沈下したとかいう話もあり。
今現在、最も頭を悩ませているのは道路状況だ。
大潮の満潮時前後、そしてちょっとまとまった雨が降ったとき、道路がたちまち水没してしまう。
これから気温もどんどん上がる。
雨が降れば街中、潮の淀んだような空気が立ちのぼる。
被災したお宅の中には、まだ津波のときに運ばれた魚がごろごろしたまま、というのも珍しくない。
そんなところに帰っていく人々も、珍しくない。
これ以上ないくらい、様々な意味での危機的環境。
それが、震災から1ヵ月半も経過した今現在の状況だ。
少しずつ回復はしている。
重機が動き道を開け、人の手が泥を掻き出す。
果てしないようだけど、少しずつ少しずつ。
報道と現地のギャップについて。
口にする人々が増えてきている気がする。
津波の水をかぶっていない地域は、電気製品も使えるしテレビも普通に見ているが、今でもテレビどころか水も電気も何も無い生活の人々も沢山いる。
私達もテレビを見ない生活をしているが、ちらほら聞こえてくる話とここの生活の食い違いが気になるときもある。
たとえば物資について。
倉庫に山積みになっていて、あふれかえって困っているという話。
半分は本当、半分は間違い。
確かに物資庫にはいつもダンボールがうず高く積み上げられている。
避難所によっては、過剰供給気味なところもある。
だが、そうでないところも、たくさんある。
すべてに均等に行き渡らせられるほどの情報や秩序がまだ無い。
衣類を持って避難所の階段を上っていると後ろから人々が付いて来て、所定の場所に置くと同時に人だかりで持っていくところもある。
避難所ではなく個人宅はもっと状況は深刻だ。
たまたま車を止めて荷下ろししているところに、それを窓から見つけて「何かいただけるんですか?」と近所の人が急いで出てきたこともあった。
見ると、以前、寝たきりのお婆さんをお風呂に連れて行く入浴介助つきの移送をしたお宅のお母さんだった。
このエリアは、1階は津波でめちゃくちゃになっていて、一部の人々は避難所から戻って2階に住んでいる。
「おばあちゃんはその後いかがですか?」
「それが、入院したの。ある朝起きたら、おばあちゃん全く何にも反応がなくなってしまっていて、あわてて救急車呼んでね。」
その時荷下ろししていた移送先のお宅のお父さんも、栄養失調で入院したところだった。
物資そのものの片寄りもある。
ガーゼはあっても、ガーゼをとめる紙テープが足りなかったり。
寒い時期だったというのもあり、防寒着は山のようにある。
だがこれから必要なのは、薄手のシャツなどになるだろう。
値札やタグなどは、ついているほうがいい。
古着かどうなのか分からないものより、新品だと分かるから。
「そんな贅沢言うな」などと言う人は驕っている。と思う。暖かさ以上に自尊心を削り取っていく。同じ古着だとしても、心をこめて入れてくれた人なら、そんな風には考えないはずだ。
今や、生きて行くために必要、だけでなく、心身を健やかに生活していくための物が必要な段階だ。
シャンプーや石鹸はあるが、ボディスポンジや化粧水が足りない。化粧品はほとんど無い。
必要ないかい?そう思う?
私は幸いにも(?)テレビやネットニュースなどをほとんど見ていないから知らないが、「ボランティアが多すぎて迷惑がられている」というような報道もたまにあったりするようだ。
確かに、石巻は特にボランティアが多い。
だが、必要以上の人間がいて困っている、というのはちょっと違う。
日本中の人間が全員一度は手伝いに来てもいいんじゃないかと思えるくらいに、被害のレベルはとてつもなく大きい。
そして、地元のほとんどの方達が、災害支援に来ている自衛隊やボランティアにとても親切であたたかい。
そんなに気にしないでもらいたいくらいに感謝されてしまったりする。
だから「地元の人たちに迷惑がられている」という話は、ものすごく、地元の人に失礼だ。
ここの皆さんは、そんなひねくれて小っさな人間じゃない。
義理堅く情に篤く、辛抱強い。
一方で、ボランティア顔しながらお気楽キャンパーみたいな人たちも確かにごく一部紛れ込んでいる。
場所取りして酒盛りしてゴミを散らかして。
どんなに人手が必要でも、そういう人たちの手ならいらない。
「ボランティアです」と言って瓦礫撤去などをして最後にお金を要求する詐欺も発生している。
(要注意!即110番を!!)
周りで何を言われていても。
私達は、知っているから。
ここの人たちの優しさを。私達をどんどん焚きつける、心からの感謝を。涙を。
だから、びっくりするくらいに揺るがない。
もっともっとやらなきゃ、と思うばかり。
「がんばろう」という言葉は、内から湧き出てくるものでなければならない。
自分で自分を、同じ境遇の仲間を、鼓舞するために発したときに初めて、その言葉は力になる。
「あなたたち、がんばってね」の「がんばろう」は、言わなくていい。
がんばっている人たちを苦しくさせるだけだから。
色んな形の応援もあろう。
ミュージシャンがライブしたりアーティストが絵を描いたり会社員が仕事きっちりこなしたりお母さんが子供を守ったり。
政府の予算がいくらとか。物資が多いの少ないのとか。
ただひとつだけ。
人々がどんどん弱ってきている。
一ヶ月以上の、固い床での集団生活に。
今現在、布団を敷いて眠れていないすべての人に、せめて体の弱い人やお年寄りなどに、敷布団を差し上げることって、難しいことなんだろうか?
ただそれだけで、病気になって病院に運ばれる人の数はずいぶん減るんじゃないか、と、私は思うのだけど。
どうなんだろう。
まったくつたないながら、思ったことをすこし書いてみました。
一週間後には違うこと思ってる可能性もあり(笑)
昨日からホント一日中二日中眠っております。
睡眠の借金を返したら、明後日にはまた舞い戻りまっする。
小休止中の今、ちょっとまとまった記事を書こうかと思う。
私が今、お手伝いさせていただいているのは、札幌の障害者福祉団体がメインになっているグループ。
市内の方が善意で貸して下さったお宅に拠点を置いている。
活動内容は、移送。
震災で、とても多くの人たちが車を失った。
電車も止まったまま。
そういう、移動する術を失った方達の通院や入浴、買い物などの移送をするのが役目だ。
障害福祉系団体なので、車椅子の固定できるリフト車、ストレッチャーのついた救急車をメインに走っているのだが、移送する対象は今のところ限定は無く、被災されて移動する術を持たない人なら誰でも送迎している。
車も人も足りなくていっぱいいっぱいですわ(+_+)
震災後1mだか地盤沈下したとかいう話もあり。
今現在、最も頭を悩ませているのは道路状況だ。
大潮の満潮時前後、そしてちょっとまとまった雨が降ったとき、道路がたちまち水没してしまう。
これから気温もどんどん上がる。
雨が降れば街中、潮の淀んだような空気が立ちのぼる。
被災したお宅の中には、まだ津波のときに運ばれた魚がごろごろしたまま、というのも珍しくない。
そんなところに帰っていく人々も、珍しくない。
これ以上ないくらい、様々な意味での危機的環境。
それが、震災から1ヵ月半も経過した今現在の状況だ。
少しずつ回復はしている。
重機が動き道を開け、人の手が泥を掻き出す。
果てしないようだけど、少しずつ少しずつ。
報道と現地のギャップについて。
口にする人々が増えてきている気がする。
津波の水をかぶっていない地域は、電気製品も使えるしテレビも普通に見ているが、今でもテレビどころか水も電気も何も無い生活の人々も沢山いる。
私達もテレビを見ない生活をしているが、ちらほら聞こえてくる話とここの生活の食い違いが気になるときもある。
たとえば物資について。
倉庫に山積みになっていて、あふれかえって困っているという話。
半分は本当、半分は間違い。
確かに物資庫にはいつもダンボールがうず高く積み上げられている。
避難所によっては、過剰供給気味なところもある。
だが、そうでないところも、たくさんある。
すべてに均等に行き渡らせられるほどの情報や秩序がまだ無い。
衣類を持って避難所の階段を上っていると後ろから人々が付いて来て、所定の場所に置くと同時に人だかりで持っていくところもある。
避難所ではなく個人宅はもっと状況は深刻だ。
たまたま車を止めて荷下ろししているところに、それを窓から見つけて「何かいただけるんですか?」と近所の人が急いで出てきたこともあった。
見ると、以前、寝たきりのお婆さんをお風呂に連れて行く入浴介助つきの移送をしたお宅のお母さんだった。
このエリアは、1階は津波でめちゃくちゃになっていて、一部の人々は避難所から戻って2階に住んでいる。
「おばあちゃんはその後いかがですか?」
「それが、入院したの。ある朝起きたら、おばあちゃん全く何にも反応がなくなってしまっていて、あわてて救急車呼んでね。」
その時荷下ろししていた移送先のお宅のお父さんも、栄養失調で入院したところだった。
物資そのものの片寄りもある。
ガーゼはあっても、ガーゼをとめる紙テープが足りなかったり。
寒い時期だったというのもあり、防寒着は山のようにある。
だがこれから必要なのは、薄手のシャツなどになるだろう。
値札やタグなどは、ついているほうがいい。
古着かどうなのか分からないものより、新品だと分かるから。
「そんな贅沢言うな」などと言う人は驕っている。と思う。暖かさ以上に自尊心を削り取っていく。同じ古着だとしても、心をこめて入れてくれた人なら、そんな風には考えないはずだ。
今や、生きて行くために必要、だけでなく、心身を健やかに生活していくための物が必要な段階だ。
シャンプーや石鹸はあるが、ボディスポンジや化粧水が足りない。化粧品はほとんど無い。
必要ないかい?そう思う?
私は幸いにも(?)テレビやネットニュースなどをほとんど見ていないから知らないが、「ボランティアが多すぎて迷惑がられている」というような報道もたまにあったりするようだ。
確かに、石巻は特にボランティアが多い。
だが、必要以上の人間がいて困っている、というのはちょっと違う。
日本中の人間が全員一度は手伝いに来てもいいんじゃないかと思えるくらいに、被害のレベルはとてつもなく大きい。
そして、地元のほとんどの方達が、災害支援に来ている自衛隊やボランティアにとても親切であたたかい。
そんなに気にしないでもらいたいくらいに感謝されてしまったりする。
だから「地元の人たちに迷惑がられている」という話は、ものすごく、地元の人に失礼だ。
ここの皆さんは、そんなひねくれて小っさな人間じゃない。
義理堅く情に篤く、辛抱強い。
一方で、ボランティア顔しながらお気楽キャンパーみたいな人たちも確かにごく一部紛れ込んでいる。
場所取りして酒盛りしてゴミを散らかして。
どんなに人手が必要でも、そういう人たちの手ならいらない。
「ボランティアです」と言って瓦礫撤去などをして最後にお金を要求する詐欺も発生している。
(要注意!即110番を!!)
周りで何を言われていても。
私達は、知っているから。
ここの人たちの優しさを。私達をどんどん焚きつける、心からの感謝を。涙を。
だから、びっくりするくらいに揺るがない。
もっともっとやらなきゃ、と思うばかり。
「がんばろう」という言葉は、内から湧き出てくるものでなければならない。
自分で自分を、同じ境遇の仲間を、鼓舞するために発したときに初めて、その言葉は力になる。
「あなたたち、がんばってね」の「がんばろう」は、言わなくていい。
がんばっている人たちを苦しくさせるだけだから。
色んな形の応援もあろう。
ミュージシャンがライブしたりアーティストが絵を描いたり会社員が仕事きっちりこなしたりお母さんが子供を守ったり。
政府の予算がいくらとか。物資が多いの少ないのとか。
ただひとつだけ。
人々がどんどん弱ってきている。
一ヶ月以上の、固い床での集団生活に。
今現在、布団を敷いて眠れていないすべての人に、せめて体の弱い人やお年寄りなどに、敷布団を差し上げることって、難しいことなんだろうか?
ただそれだけで、病気になって病院に運ばれる人の数はずいぶん減るんじゃないか、と、私は思うのだけど。
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by ushimaton
| 2011-05-03 21:55
| 東日本大震災
気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。
by ushimaton
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☆★うしまとん★☆
生まれと育ちは北海道
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