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酵母じいさん

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さてさて。
衝撃の下血事件から一週間後の金曜日、経過の診察と検査結果をききに、直検病院を再訪いたしました。

菌培の結果。
キャンピロバクターが検出されました。ハイ。
「発症から1週間程度で良くなる」「便に多量の血液が混じることがある」などなど、まさに典型的。
わりかしどこにでもいるというか、感染源は特定はできませぬ。
10秒でも早く仕事をこなさねばと焦りに焦っていたこれまで。
トイレに行くタイミングすらつかめないでいたので、もちろん飲み物なんてとんでもない。喉が乾いたら牛舎のそこら辺の蛇口の水をガブガブと飲んで済ませていた。
うーむ、それか…?
はたまた拾い食いでもしたか?(笑)
あ。最近は仔牛の離乳も進み、給餌の試験も終わり、余裕も生まれてちゃんとトイレも水も時間作ってますよ♪(って遅)


さてそんなタイミングで前述の寺田さんの『発酵道』を読んだため、腸内細菌が気になるまとん。
食生活には気をつけまする。
色んなヨーグルトを食べてみたり、納豆や味噌汁など食べてみたり…ささやかだな(爆)

『発酵道』、かなり面白く読ませていただいた。
知っている人だから、言葉にも強さがあってよけいに面白い。なんといってもアノ聡美ちゃんを育てた環境なのだから。

よく理解できない部分も結構ある。
そういうものだと思う。
だって、私はそもそも「微生物」の世界を、聞きかじった概念の中でしか知らないのだから。
他の生き物を、なんとなくの感覚ででも理解できそうに思うのはせいぜいが哺乳類や鳥類くらい。それらを遥か遥かつき放した別世界が、微生物の生きる世界なのだ。

だけど、
ミクロと等身大と宇宙。
多分、サイズが変わっただけで共通するものがあるのだと、なんとなく思う。
そもそも「サイズが違う」と感じるけどそれって私たちの人間サイズから見ているからであって、地球サイズから見たらあんまし差はなかったりするもんだしね。
そう考えると、私たちのサイズの世界は、逆に全体的な目で俯瞰するのがとっても難しかったりするわけで、微生物の世界を感覚で掴めたら、それはとてもプラスになるのかも知れない。
「宇宙のエネルギー」なんて言葉を聞くと、うわっ、危ない世界じゃね!?と一目散に逃げ出す私なのだが、この本で寺田さんが口に(文字に)した「宇宙エネルギー」というのは、ちょっとそういうのとは違う気がする。
極小の生物とつながっている、大きな流れそのものの感覚みたいな。
どのみち完全にはわかることのできない世界なのだけど、それでいいのかな、と思った。
前回も書いたが、まさに、
「自分と合う合わないで自分から排除してしまうかどうか」
ということでもある。

いかに心地よく生きられるか。
つまりはそういうこと。
寺田さんは、それを「発酵」と表現した。
自分と自分を取り巻く世界を「発酵」させることが、幸せへの道。

「発酵」と「腐敗」は、同じことを指す。
ただ人間に都合良いか悪いかで言い分けているだけで。
人同士も、そうだよね。
良い方向に影響しあって変化していくか、いやな方向にどんどん行ってしまうか。


ところで。
今日は休日だったので、3キロくらい先の公園に行った。
三線の練習をしているとたまに声をかけられたりする。
今日は、練習も終えてすっかりしまってしまい、ぼちぼち行こうかとしている時に、声をかけられた。
「ここ(テーブルつきの広いベンチだった)、一緒に使わせてもらっていいですか?ちょっと、絵を描きたいんですよ。ボケ防止にね、はは。」
ずいぶん気さくに話しかけてくるおじいさんだな〜。などと思いながら、はじめは若干警戒気味に会話した。
おじいさんはカバンから携帯用の水彩絵の具と白いハガキ大の厚紙を取り出し、趣味の絵の話をし始めたが、どんどん発展して、色んな話になった。

不思議なおじいさん。
恵まれた環境を用意されたわけでもない人生を、自分の力でそれなりに立派に乗り切り、自動車整備屋もうまくいって、満たされた現在を送っている。
けっこうハチャメチャやったりもしてきた人なのだけど、何とも言えない不思議な安心感がある。おそらくはそれ故に、多くの人に信頼をされて、そしてそれを裏切ることなくここまで来たのだろう。

五男坊に生まれて婿に入り、金銭的にもずいぶん苦労はしたようだが、「つらかった」とは一言も言わない。
お金の大切さをよく知りながら、困った人に分け与えることを惜しまない。
「結局は人なんですよ。たくさんの人と交流するんです。きっといいことがありますよ。
関わってみると、どの人もみんな、いいものを持ってるもんです。悪い事も言うけど、そこは耳からこぼして聞かなけりゃいいんです。」
私はほとんど相槌のみ。でも面白かった。
「悪いことは話さない。いいことについてどんどん話していけばいいんです。」

いかに人生を楽しいと思って生きていくか。
「もうこれ以上欲しいものはない」
なんて言ったりして。
確かにある程度のゆとりはありながらも、求めればいくらでもきりがない欲望のループからイチ抜けして鼻歌を歌うような姿勢がなんだか良かった。

「いい男見つけるんだよ。」
“誰でもいいからとにかく結婚しろ”的な言葉でいいだけ傷つける人々と違い、「お姉さんならきっといい相手が見つかるよ。」と言ってくれる視点。


なんとなく『発酵道』を思い出したりするおじいさんだった。
そうそう、書いてあったな。
自分からマイナスを作らない、とりあえず笑ってみる。


凹み大王な私なのだけど、私も、満たされて楽しく生きていきたいもんだ。
そう思った。
by ushimaton | 2010-05-31 22:37 | まきばにっき


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


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