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はためく美術展

f0032403_229112.jpg昨日は、町から車で30分ほどの中札内村にある『中札内美術村』に行ってきた。
十勝といえば、いや、北海道といえば!というくらいに!?有名になってきたお菓子「マルセイバターサンド」などを作っている、帯広が本店のお菓子屋さん『六花亭』が持っているらしい美術施設だ。
広大な柏の林の中を細道が通って、いくつかの美術館をつないでいる。
十勝に関係のある画家や版画家たちの作品を並べた木の小さな美術館は「おすすめ!」とみっちゃんが太鼓判を押している。

坂本直行という画家は、星野道夫のエッセイにも登場しており、同じくみっちゃんが画集をくれたこともあって特に興味のあるところだったが、それは次回のお楽しみということにした。
じゃあ何を見に来たのかって?

f0032403_22162350.jpg洗濯干し場?洗剤のCM撮影中?
いやいや、実はここで、今ある展示会を開催中なのだ。

『着てみたい北のTシャツデザイン展』

全国から応募してきた、子供から大人までの絵画を、Tシャツに印刷して物干しのように展示している、一風変わったアートコンテスト。
ほほえましい子供の絵もあれば、ものすごく上手な「プロ?」みたいな絵もあり。
名の通り、「売ってたら着てみたいよねー!」という言葉が何度も出てくるようなTシャツがいっぱいだった。(売ってないけど)

Tシャツの波の中を、みっちゃん、たけさん、私でうろうろうろ…
「あったよー!」

f0032403_22252981.jpgあったー!
牛絵描きのミホちゃんの作品だ!
繊細なタッチで、やさしい線で描き出された、388番(サンパパ)。
ミホちゃんが愛するばあちゃん牛の絵だ。

年の功か、飄々とした牛で、人を怖がりもしなければ好きでもなかった。
たまげるほど乳が出ない!(笑)
それでも人工授精で無事妊娠、出産予定だったが、残念ながら流れてしまったのか、発情が始まり、結局肉に出された。
ミホちゃんは以前の牧場でこの388がずっとお気に入りで(388は特別なついてきたわけでもなかったそうだが)、辛いことがあったときには牛舎でずっと彼女のそばにいたそうな。

彼女が牧場を出るのと偶然にもほとんど同じタイミングで、388も牧場を離れた。
今のミホちゃんの目標は、等身大の388の絵を描く(版画を彫る)ことだそうな。

今回の作品は版画ではなく色鉛筆のようなもので描かれたものだった。
ミホちゃんの版画は、髪の毛くらいの細い細い線も丁寧に掘り込んであり、絵から愛情がにじみ出ている。

応募はしたが、近くに住んでいないために見に来られない本人に代わって、私達が展示会を堪能してきたぞ♪
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サンパパTシャツ、青空の下で風にパタパタ揺れて気持ちよさそうだったよ~。

f0032403_22483950.jpg林の中にはセミの抜け殻もたくさんあった。
リスもいるだろうな。
気持ちよく整備しすぎ!?なのかもしれないが、手軽に緑の中を散歩して良い気分になりに来れるのはいいかも♪

ご機嫌ひなたはこの後、転んで大泣き(^^;)
by ushimaton | 2006-08-09 23:03 | ともだち&チビッコ

パズルのまんなか

先日、ミホちゃんと品川駅で待ち合わせた。
行き先は、品川駅から徒歩でほんの5分…

f0032403_2152436.jpg品川のピカピカのビル街の真ん中に、牛がいる!
ここは東京都中央卸売市場食肉市場・芝浦と場
牛と豚の“と畜”と解体、セリを行っている場所だ。

生きている牛、と、スーパーの肉。
その間にある過程はミッシングリンク(ちょと違う!?)、ほとんど知らない世界だ。
よく知らないその「動物はどうにかしてと畜され、切り分けて売られるらしい」という部分に、行ってみた。

事前にミホちゃんが電話で問い合わせてくれ、「衛生上の理由でと場は見学できない」と言われていた。
だが場内に『お肉の博物館』というのがあって、こちらは見学できるという。
とりあえず、それを見てみる事にしたのだ。

f0032403_21501547.jpgお肉の博物館には、芝浦と場の歴史から、牛や豚の種類、と畜されてお肉になるまでの過程、そこで働く人たちの事、皮や肉の種類などが展示されていた。
館内は私とミホちゃんしかいなかったため、受付のおじさんが色々と話をしてくれた。
と場の見学は出来ないが、ビデオがあるとの事。持ってきてくれ、広い視聴覚室のような部屋で見せてくれた。

教育系のプログラムによくあるように、マンガの男の子と女の子、それと博士みたいなキャラクターが出てきて、「お肉はどうやってできるのかな?」「じゃあ、わしが案内してやろう。」という感じの会話をして、と場を案内していく。
そんなのほほんとした(?)運びなのだが、中身はすべて、ホントにすべて実写だったのには意表を突かれた。実際のと畜や解体は、男の子や博士みたいマンガかイラストなのかな?と思っていたら、本物の映像を最後まで見せてくれた。

大きな部屋に入って、健康状態をチェックされる牛。車の自動洗車機みたいなものできれいに洗われ、一頭ずつ並んで細い通路を歩く。
どん詰まりで壁に四方を囲まれ、と思ったら額に金属の筒のようなものが当てられる。その瞬間に、もう牛は気を失って、そしてそれと同時に壁が開いて傾斜を滑り落ち、待っていた職人が喉元を一太刀で切り開き、一気に血を出し切る。
全ての過程がものすごい正確さで、全部で数秒で終わってしまう。息を呑む早業!
その後もすべての人がすごい連係プレーで、首を切り取り、足を切り取り、逆さに吊るして腹を切る。沢山の内臓がぶるぶるどさっと流れ落ちる。
皮をはぐ。脊髄を吸いだす。背骨に正確に合わせて、半分に分ける。途中、何度か検査を受ける。
全ての過程を終えるのに、たったの50分しかかからない。すごい職人技だ。

もう、半身になって天井のレールから下りる鈎針から吊るされる姿は、どこかで見た事のある「肉」の姿だ。
だが、なんだか「肉」に見えない。どちらかというと「半分になった牛」に見える。なんでかな?
吊るされた牛は、まだ振動にプルプル揺れている。ああ、そうか。こんな風にぐにゃぐにゃプルプルした「肉」を、私たちはあまり見た事がない。
どこまでが「牛」で、どこからが「肉」だったんだろう?

博物館のおじさんに聞くと、豚も牛も、申し込めばセリの見学をさせてくれるのだという。
早速事務所へ行き、翌日の見学の申し込みをした。

翌朝、都の職員の方が案内してくれ、セリの見学をした。
冷蔵されてセリ場に登場した肉は、カチカチで「肉」だった。
枝肉は、半身で200キロから300キロもある。場内に張り巡らされたレールを伝ってブンブン移動している。ぶつかったら軽く交通事故だ。ちょっとドキドキした。
あばらのあたり、まさにリブロース?が細く切り取られ、肉の具合が覗けるようになっていた。覗くと見事な霜降りだ。等級分けされたハンコが押され、牛の種類や重さが書かれたシールが貼ってある。
セリの参加業者たちが肉質を調べて次々に競り落としていく。当然だが和牛の方が交雑種、いわゆるF1よりも高かった。
東京の市場に、メスの乳牛はほとんど入ってこない。牧場で乳を搾られていたのが廃用になった、といういきさつの牛は、わざわざ東京まで運んでセリには出されないらしい。
だが、わずかに「枝肉」となって持ち込まれたホル雌の肉が、壁に張られた前日の競売結果表にあった。
上質の和牛は、キロあたり1800円くらい。
ホル雌…440円とか…(^^;) 違うねぇ…。

「熱心ですね。学生さん?」と聞かれた。牧場で働いてたもんで…などと言うと珍しがられる。
畜産関係の学生や獣医さんなどが来る事がちょくちょくあるらしい。

牛や豚→??→肉、の真ん中の「?」のピースを見る事ができた。
一人だったら行かなかったろうし、誘ってくれたミホちゃんに感謝したい気持ちになった。
「ひ~」とか言いながら観たビデオはなかなかの衝撃映像だったが、見ておいて損はないものだなぁ、と思った。
子供たちに見せるのは、慎重に気をつけてでないといけないかもしれないが、とにかく「百聞は一見にしかず」。なんか、意識が深まる…ような気がしたぞ。

完璧な技術で牛を一瞬にして気絶させる職人さん、正確に一気に血を抜いて、あっという間に終わらせてくれる職人さん。
私たちはどれだけ彼らに感謝しなきゃならない事か。
一億人が矛盾的に目を背けている「命を奪う」という作業をその肩に受け止めてくれてるんだなー。

f0032403_22594191.jpg夕方からは、牧場に実習で来てくれていた東京在住のななほちゃんが来てくれた♪
久々で3人でおしゃべり。楽しかったー!

居酒屋で、モツ串の盛り合わせを注文して、「これはどの部分の肉ですか?」とかいやに詳しく訊いたりした(笑)

興味のある方、一度行ってみてはいかが!?
by ushimaton | 2006-06-03 23:23 | ウシ話

牛好き牛飼い考

昨日、ついに札幌でミホちゃんと会った。
先月まで私が働いていた牧場での先輩スタッフ(年はまだ若い!)で、以前私が記事に書いたことのある“牛を描く人”の、ミホちゃんだ。
一年半の勤務を終え、ついにシャバへ…いや、外の世界へ…いや、とにかく牧場から出て来て、札幌のおばあちゃんのお家に滞在しているのだ♪

札幌と言えば…の?『きのとや』のケーキを食べて、向こうにいる間から「行こう!」と言い合っていたタイ料理屋へ!うまかった~。

食べながら、久しぶりの牛ネタ&牧場ネタの話で大盛り上がり。
向こうでの生活は、かなり意図的に「スタッフだけの時間」を持つことが出来ないようになっていたし、また忙しかったり眠かったり(笑)で、じっくり話をする機会を見つけるのはとても難しかった。
だから、のびのびと話が出来たのは初めてかもしれない。帰る直前、寝たふりをして朝まで話しこんだ時、ミホちゃんはいなかったし。
「あの時ってこうだったんだよね…」「あー、それわかる!」などなど、なんだかテストの答え合わせみたいな状態で(笑)大いに話に花が咲き、気持ちがひとつ整頓できたような感じで、妙にすっきりした。

私は忙しい季節の前に辞めてしまったのだが、彼女は本当に忙しい時期の、一日16時間しかも休憩なし状態の勤務などを、手取り月10万円の待遇で乗り越えてきていた。
「よくやったよね。」と私が言うと、ミホちゃんは「牛がいたから…」と言った。
そう、彼女は牛を愛している。
以前も書いたが、私はそれが不思議だった。
素晴らしい版画を描く彼女は、今は牛以外のものを描く気にならないという。だが彼女は決して牛や酪農を夢想的に美化して捉えるクチの人ではない。現実的で地に足が着いているし、とても良く仕事が出来る。私がつい引いてしまう種類の感傷を振りかざすタイプともまるで違う。まだ新入りの私などよりもずっと淡々としているくらいだ。
そうでありながら、牛が好きなのだ。

私は、もちろん牛が嫌いという訳ではないが、牛が特別に好きという訳でもない。
むしろ、特別に感じるようになるべきではないような気持ちでいた。
生き物の世話をしていて愛着が湧いてしまうのは、ほとんど本能だと思う。そうでありながら、そいつらから搾取し、殺してしまうのだ。嬉しいと思うはずもない。
それなのに、その生き物を愛するなんて…。

だが昨日(あ、日付が変わって一昨日か)彼女と話していて、ちょっと私の中が変わった。

「牛を描き続ける限り、“蚊帳の外”でいたくない、背負っていたい。だから酪農をしたい。」とミホちゃんは言っていた。それ以前に単に牛の側にいるのが一番幸せだからなのだろうけど(笑)。
イイトコ取りで草原でのんびり草を食む姿だけを眺めて「あー、牛かわいいー♪」と言っているのが嫌なのだ。好きだから余計に目を向けたくない部分にもしっかり関わっていたいのだろう。(もちろん、牛舎仕事そのものは楽しい日々なのだし)
私も含め、ある意味「都会的」「若造」なものの考え方ではあるのだろう。
だけど、彼女のその淡々としながらも痛々しいピュアさが私は大好き。

彼女と話をしていて、私は自分の中で多分かたくなになって「経済動物として飼っている生き物に特別な愛着を持って歩み寄ってはいけない」と思っていることが、それほどの意味を持たないことなんじゃないかと思えてきた。
どの運命を背負った生き物であれ、それはどれも単なる生き物、なのだな。
韓国や中国などの昔から犬を食べる文化を非難する人々を見ると、なんだか違和感を感じる。
「犬は愛玩動物だから食べるのは残酷」?うーん…?(食べたいわけではないけど(^^;))
よく欧米の旅行者に、「鯨は知能が高くて素晴らしい生き物なのに、どうして日本人はそれを獲って食べるの?」と訊かれた。でも、牛にだって豚にだって鶏にだって個性も知能もある。
実は、生き物の種類がどうって問題じゃなく、ペットを飼い野鳥を愛でつつ生活しているという段階で、根源的にすでに矛盾だらけな生き物なんだ、私達。
そういうもんなんだ、ただ単に、それだけなんだ。なんて思った。
うまくまとまらないが(-_-;)

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昨日の昼、用事があって中の島に行った(せりママ化粧水ありがとうw)後、なんとなく札幌駅まで歩いてみた。地下鉄駅で5つ分。意外と普通に歩けるもんだのう。
中島公園はクロッカスが咲いていたよ。まだまだ寒いけど。
by ushimaton | 2006-04-27 01:19 | ウシ話

記憶の糸

先週の土曜、私が退職する朝。
おんぼろハイエース(傷だらけにした名ドライバーは父と弟)に乗って、両親と妹がやって来た。
「休日」で朝の仕事に行かなくてよかった(笑)私は、徹夜をした後でさらに前夜もスタッフ友達と夜更かしして話していたため、フワリフワリと荷造りしながら待っていた。

お別れの時に、スタッフの二人は素敵な贈り物をしてくれた。
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これはユウキ君の作った、土笛。
牧場で掘り出した粘土で作ったのだそうだ。穴を押さえて吹くと、ちゃんとドレミが出る!
ツヤはスプーンの背などでこすって出したのだとか。
手先も器用で、自分のセンスを持っている彼がスゴ羨ましい。

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ミホちゃんは、版画を刷ってくれた。
本当に素晴らしい。睫毛の一本一本までが繊細に彫られていて、動き出しそうだ。


あらためて、人生豊かにする才能のある人たちと働いていたものだとしみじみ思った。


荷物と私を積み込んだ車はまずオホーツクの海へと出た。牧場では雪が降っていたのに、ほんの10キロ走ったここは素晴らしい晴天。
オホーツクブルーの海岸へ降り、メノウやガラスの浮き玉を拾ってはしゃいだ。
そして一路、留辺蕊(るべしべ)の温泉郷・温根湯温泉へ行ったのだった。
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私たち一家は昔、父の仕事の都合で、温根湯の近くにある北見市に一年間住んでいたことがある。
昔も昔、25年も前、私がまだ4,5歳の頃だ。ほとんど何も憶えていない。
それでも、ここまで来たら「あの頃の場所へ行ってみたい」という思いが家族の中にあった。

車を走らせながら、父と母がしきりと言い合っている。
「この辺じゃなかった?」
「もっと先じゃないか?よく行っていたスーパーが左側にあるはずだけど…」
「あっ、あった!」
名前は変わっているが、その場所には今でもスーパーがあった。
ほとんど憶えていなかったはずなのに、車から降りてそこに立つと、何となく、記憶がくすぐられる。
「アパートって、こっちの方じゃなかった?」
「そうだよ。行ってみようか…もうないだろうけどね。」
行ってみたら…あった!しかも、当時とほとんど変わらない姿で!
「公園は?」
その頃、私は幼稚園にも行かず、妹や弟を連れて、毎日近所の公園で遊んでいた。
公園に続く道を歩いていると、急に記憶が蘇ってきた。そう、私はこの道を知っている!オシッコがしたくなって走って帰った道、妹と弟を引き連れて歩いた道だ。
公園には天敵の犬がいて、追いかけられては本気で逃げ回った。高い遊具の上に登ったまま降りられなくなり、母が迎えに来てくれるのをじっと待っていた記憶があった。
f0032403_1732152.jpg公園に着くなり、そのときの遊具がそのままあるのをすぐ見つけた。形も色もまぎれもなくこれだ!
っていうか、低っ!!こんなに低い遊具だったのか。犬もきっと、シーズーか何かの小型犬だったのだろう。


でも人間って、25年も前の5歳の記憶でも、実はちゃんと記憶の引き出しの中に入っているものなのだなぁ。

「あの頃の現場が一番きつかったなぁ…でも家に帰れば子供たちが飛びついてくるから、疲れた顔もできなくて…」
「ここの病院で一番下の子が生まれた日は、寒かったよね。」「水道が凍って、風呂の残り湯も風呂桶の中でバシンと凍っててなぁ…」
父と母の思い出話は次から次へと湧いてきた。
私たち家族以外の誰も分かち合うことのできない感慨、興奮、記憶の積み重ね。
家族で年月を重ねることって、素敵なことかも。それがわかるには何十年もかかったりするのかもしれないけど。
by ushimaton | 2006-03-29 18:01 | まきばにっき

牛を描く人

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昼休みにしばしば、大きなスケッチブックを持って牛舎を歩き回っているスタッフ仲間のミホちゃんの姿を見る。
ミホちゃんの本職は、絵描き。絵の中でも版画が専門だ。細い細い線の、版画とは思えないような繊細な絵を描く。
絵でお金を得ていたり、展覧会を定期的にしているわけではない。でも彼女は「心から打ち込めるものは絵しかない。一生描いていく。」と決めていて、それは本当の意味のライフワークなのかなぁ、と思う。

「ミホちゃんは牛の絵しか描かないんだよ」とはじめに言われたとき、不思議なこだわりだなぁ、よっぽど牛が好きなのかなぁ??と思った。
確かに彼女は自他共に認める牛マニア。牛舎の牛の番号や顔を一番覚えているのは彼女かも知れない。なつっこい牛を見付けては「かわいい~」と撫でている。

かねてからの私の持論は、「牛好きに牛屋(酪農家)はできない」だった。
酪農は牛を愛玩動物として飼う訳ではない。サツバツとした言い方をすれば、健康に育てるのは妊娠出産させて乳を出させる、そしてそれを売ってお金を得るためだ。怪我をした牛、妊娠しない牛、乳が出なくなった牛は、次々に「廃用」にしていくしかない。
「動物が好きだから酪農がしたい」という人たちに会うとつい、それでいいの?と言いたくなってしまう。

牛のことをただの物くらいにしか思わない人…だったら、工場で部品を選別するように淡々とやっていけるのかも知れない…?が、だからってそれが理想の形ではない、と思う。
ただ、生涯を共にするためではなく、乳や肉として牛達を「利用」するために飼っているんだと自覚して関わることが、そういった「動物好き」という人たちに耐えられなくないのかなー、と疑問に思ったりするのだ。

そんな訳で、牛を愛するミホちゃんはここで働いていて辛くならないのだろうか、とちょっと不思議になったりした。

ある日、廃用が決まった牛の写真を撮るために休日なのに牛舎に来ていた彼女がいた。
あとで見せてもらうと、彼女の膨大な写真アルバムには廃用が決まって既にいなくなった牛たちの姿が山のようにあった。
先日足を折ってクレーン車に吊って持っていかれた子牛もいた。

彼女は、牛の死を受け止めるために絵を描いているのだ。
ひょっとすると、何も思わずにスーパーで肉を買ってシチューを作っている沢山の人々の分も肩代わりして。

展覧会のプレゼンテーションの文を読ませてもらった。
東京で産まれ育った彼女は美大生の時に初めて酪農実習に来て、大変な衝撃を受けたらしい。
何気無く食べている肉、飲んでいる牛乳、その生産される場所を知り、そこに命があることを初めて意識した。
死んでいく牛や産まれたての子牛、沢山の牛と関わって彼女が強く感じたのが、「これからは私は牛達の絵を描かなくては」ということだったらしい。それが、人間のために生きて死んでいく目の前の牛を、彼女なりに受け止める方法なのだ。

ミホちゃんの描く牛達の目は、ドキッとするほどきれいだ。
彼女の心が映っているのかな?
by ushimaton | 2006-03-19 21:57 | ウシ話


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


by ushimaton

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