節目だけど、区切りじゃない。

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明日で、災害から1年になる。


自分自身が被災したわけでもない私でも、何度
「こんな世界が押し寄せるとはまったく思っていなかった3月10日より前の世界に戻れたらなあ。」
と思ったことか。
日本中で、どれだけの人々が、そう思っていることか。

戻れないとわかっていても、今のこの状況が、「仮の姿」だと思ってしまう。

札幌に帰った年末年始、ほとんどすっかり「元の姿」になっているように見えた、街中。
確かに、多くの人には、そうなんだろうな。
だけど、そうじゃない人も、たぶんたくさんいる。
津波にやられていなくても、体は元気で被災地に住んでいなくても、あの日を境に、何かを壊した、何かを失った、何かがおかしくなった、人たちが、たぶんたくさんいる。

なんていう試練。


5月半ばにレラの電話番や配車を引き受けるようになってから、私は宿舎と拠点と夜の大学でのミーティング以外はほとんど一歩も外に出ないような毎日を過ごしている。

だけど、先週土曜日に早めの送迎終了のあと、ボランティアスタッフをしてくれている地元・雄勝のヒロ氏(今は仮設住宅暮らし)が、いつものようにする事沢山あるというのに、かなり無理やり私を連れ出して雄勝に連れていってくれた。

雄勝は、4月に少し訪れただけ。
その姿は現実のものとは思えず。
飴のようにぐるぐるねじれた電柱や、一体どこから来たのかわからない、横たわる家。
学校の最上階すら窓枠が曲がって吹き飛んでいる。
「こんな所に観光バス!?」
と思ったら、近づいたら、建物の屋上に乗ったバスだった。
何がなんだかわからない混沌。
雄勝の避難所にレラの案内を渡そうと思ったのに、遠く道は悪く、行くことが出来ずに戻ってきた。

それから11ヶ月が経っている。
瓦礫はすっかり集められ、うずたかい山がいくつもできていた。
建物があったらしい土台があるだけ。
混沌を取り除いたら、無が残った。
だけど瓦礫の山は、無ではなかった。
積み上げられた家電たちは、曲がった姿で苦しげにまだ歌を歌っていたようだった。
色とりどりのプラスチック製品の山からは、まだ生活の匂いがしていた。

ヒロ氏の「我が家跡地」にも連れられて行った。
3度も4度も訪れた津波に持って行かれ、土台の石積みだけだった。
赤ちゃん用のおもちゃが転がっていたけど、どこから来てここにあるのかわからなかった。

みんな、まるで昨日のことみたいに、震災の話をする。
時計は、止まっているか、ひどく遅く動いている。

まだまだ、何も終わっていない。
311は、節目ではあっても、区切りではない。


この記事を打ちながら5、6回は寝落ちしてしまっているので、もうこの辺で。
# by ushimaton | 2012-03-10 23:46 | 東日本

あれれ、また訂正。

国会中継のため、レラのNHK放送日がまた変わったそうです。

3月7日(水)の朝8時15分からのNHK総合「あさイチ」番組内ですって。
短い時間みたいだけど、全国で見られます。

拠点にテレビないから、私らは見られないなあ(笑)

「百聞は一見にしかず」

時間ある人は、こっちの様子を見てやって下さい!

「一年前の津波の映像」も、「復興して元気になった場所」も、見ることは大切なんだろうけど。
今何に目を向けて欲しいかって、「いまだにつらい人々もいる」ってことなんだ。

どんな風な番組になっているかはわからないけど、ながのデレクターなら信頼してるから。

ではよろしく!!



っていうか、こんなにも更新できていないブログ、読んでくれている人いるのか?(^^;)
いればいいなあ。
# by ushimaton | 2012-03-05 22:09 | 東日本

訂正。

明日の放送はNHK総合ではなくNHK教育なんだそうで〜す。

その後何度か再放送が繰り返されるらしいっす。

決まってる分としては、3月8日の8時15分(連続テレビ小説の後)からの番組だそうです。(こっちは総合)


今、私達は、次への活動の形作りにとても大変な時を迎えている。

現場の被災者、その人々と直接関わっている支援者(自治体職員含む)からは、
「もしこの送迎活動がなくなったら、生活ができない。何とかして続けて欲しい。」
と言われ続けている。
だけど、その人々が所属している組織の上の方の人々は、そのひっ迫感を感じることができない。
困っていない人々にとって、会議に出席するとか、相談に乗るとかは、ただの煩わしい厄介事でしかない。


こんなにこんなに大きな災害なのに、組織の上層の人々は、そんなにも早く抜け出してしまったんだろうか?
後を絶たない孤独死も、増え続ける心の病も、体調を崩していく高齢者たちも、「対策を講じている」タテマエの形さえあれば、中身はいらないのかな?


そう思う人々ではないと信じます。



話がそれたけど。

そんなでしたよろしくー。
# by ushimaton | 2012-02-18 21:40 | 東日本

全国放送のお知らせと、北海道限定放送のお知らせ

すっかりご無沙汰してます〜。

ごめんねえ。
落ち着いたらまたちゃんと書くからね。



ところで、私たちの石巻の活動が、プチ全国放送されます。

次の日曜日、19日の、朝8時57分からの3分間。
NHKです。

良かったら観て下さいな。
どんな番組かは私たちにもわからないけど。


それと、私たちの活動に関わっている被災者の方(たまに一緒に送迎スタッフとかしてくれる)を取り上げたプチ番組は、北海道限定で、18日(土)の昼11時13分からだそうです。
(実は再放送。一度目は10日でした。ごめんごめん。)


最初の頃は取材とか放送とかしゃらくさい(笑)というか、どうでもいいと思っていたけど。

震災が過去になってきている今は、どんどん見てもらって知ってもらうことが大切だと、れら仲間みんなで思ってます。

過去じゃない、現在進行形だって。


そんなわけでお知らせでした。

ではまた!
# by ushimaton | 2012-02-15 22:01 | 東日本

またあの町へ

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長いようでやっぱりあっという間だった札幌での日々を終え、さっきフェリーに乗り込んだ。
さらば、安らぎの日々(T_T)

姪っ子が成長していてびっくりした。
かわいい絵を描くようになった(´▽`)
すごくおしゃべりするようになっていた。


さて、3ヶ月間走りっぱなしで真っ黒になってしまったまとんの“オイル交換”は終了。
昨年末よりは、少しはすっきりしたかな?
やっぱりせめて月一くらいで人間も定期点検は必要だわさ(笑)と、今回はなんか痛感したなあ。
まあ、こんなの一生で今だけですからね。
さて戻れば問題は山積みだ。

一昨日から送迎の予約電話の受付だけは開始した。
と同時に電話がドンドンかかってくるので、外出もやめて、石巻にいるときと同じ引きこもりモードに突入。
遠い北海道で、聞き覚えのある宮城弁を聞くのもなんとなく不思議な気分だった。

地震なんてこの国にあったの?
いつ?

そんな空気に囲まれた世界に、仮設住宅のおばあちゃんから電話が来る。
「具合が悪くて動けねんだってば。体が痺れて、米炊くのもやっとで、お正月ったって冷蔵庫の漬け物と缶詰めでなんとか過ごしたけど、もう何にもないんだ。薬もねえがら、病院さ連れでっでけらいん。死ぬ一歩手前なんだあ。」

そんなふうに生きている人々がいるなんてどこからも感じられない「外」の世界で受けるから、いつもよりずっと切ない気持ちになる。

何が出来る?
どうするのがいい?
頭がいい人になりたいよ。
誰か教えてよ。

石巻の地元スタッフ仲間からから電話。

「ニュースで見たと思うけど、孤独死が出たんだ。○○仮設で。でも死んだのは多分去年のうち。60過ぎのおっさんだよ、仮設で一人で酒ばり飲んでたんだ。」

テレビも割といつもついている実家だけど、ニュース、なかったよ。
誰も、知らないよ。
だけどそんなこと言えねがったー。

阪神大震災のデータで、すでにはっきり出ているんだ。
仮設住宅の孤独死で一番多いのは、お年寄りよりも、働き盛りのはずの中高年男性だって。
集会所にも出てこないで、部屋で一人で酒ばかり食らって、一人で死んでしまうんだ。

「なんかショックでさ。俺も何かもっとしねぎゃないんでないかって。」
被災者のあなたがそんな風に思うの?
そのすぐ周りには、ケロッと元気な人々が、何も知らずにのんびりしてるのに?


気仙沼の知人から連絡があり、移動の支援を必要としている仮設住宅があると言われた。
56世帯中の40世帯が独居の高齢者。交通機関なし。最寄りのバス停まで高齢者の足で40分の山の中。
市役所にお願いに行ったら、
「そこだけではなく他にも似たような状況の仮設住宅はあるから、そこだけに何かするわけにいかない」
「基本的には自立支援」
と言われたんですと。
他にも似たような状況の仮設住宅があるから、自立のために何もしないって、何ですかそれ?

モヤモヤがいっぱい。
どうなの?
声を上げるのはいつもモンスターたちばかり。
批判するのは自分の暮らしの安全が確保された暇人ばかり。


世の中、そんな問題山ほどある。
私の知らない問題だって大盛りある。
どうにもならないこともいっぱいある。
でも、どうにもならないんじゃなくて、しようとしないだけ、の問題だって、ものすごくあるんだと思う。

なんでも、答えが簡単なら苦労しないよね〜。(笑)


ものすごくお金のかかるこの支援の支援団体が一つ、年末で終了の宣言を出した。
仕方ない、感謝こそすれ非難なんてできない。
だけど、最後の最後まで、一度も実際の活動を見たり話をしたりする事のない団体だったから、なんだかすごく、残念。
見て欲しかった。
感じて欲しかった。

その努力が足りなかった、こちらが悪い。
目の前の活動があまりにもいっぱいいっぱい過ぎて。
一人で抱えきれなかった。
有能になりたい。

この後、どうやって踏ん張るか。
どうやって、形を変えて、引き継ぐか。
どんだけできるかわからんけど、努力します。

お正月を漬け物と缶詰めで過ごしたおばあちゃん、死んだまま見つけられなかったおじさんに、見せる顔がなくならないように。
# by ushimaton | 2012-01-07 19:55 | 東日本


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


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