点の下に立つ人
昔、『動物占い』というのが流行った。
生年月日で表を探すと、トラとかサルとかタヌキとかの動物が書いてあって、「あなたの性格はこんなですよ」とその動物の人の特性が書いてある。
かなり流行ったので、やったことがある人も結構いるかもしれない。
その頃、私も調べてみたら、私の動物は『黒ヒョウ』と出た。
★黒ヒョウ……
『新しいものに敏感。喜怒哀楽が激しく、プライドが高い。』
え~、そうかなぁ?うん、でも、言われてみるとそういう部分もあるかもしれない。うん。
…とちょっと納得したところで、実は私はどこかで間違えていたらしく、本当は(?)黒ヒョウではなく『コアラ』である、という事が判明した。
★コアラ……
『楽しくなければ力が出ない。あくせくする事が嫌い。夢を大切にするロマン
ティスト』
黒ヒョウとぜんぜん違うやんけっ!!ヾ(`д´;)
でも、そう言われてみるとそうかもなぁ、うん。
そう思った段階で、私は動物占いを信じるのをやめてしまった(笑)
ぜんぜん違うのにどっちも「そうかもしれない」と思えるのは、人間のココロってものすごくいろんな面があるからなんじゃないか、と。
ちょっと調べてみると、サルの『一つのところにじっとしていない』とか、チーターの『立ち直りは早いが諦めるのも早い』とか、小鹿の『警戒心が強いが仲良くなるとワガママになる』とか、どれもこれも、「言われてみるとそうかもしれないなぁ…」と思えたりする。
それで「当たってる!!」ってのはズルいじゃないか(笑)
別に書きたかったのは『動物占い』ではないのだが(笑)
この前、本を読んでいて、このことをちょっと思い出したのだ。
読んだ本は、『いのちの食べかた』を書いた森達也さんの、同じ理論社の『よりみちパン!セ』シリーズの本。
『世界を信じるためのメソッド』
以前『いのちの食べかた』の事も書いたが、それ以降、著者の森達也さんがちょっと気になる存在になって、目についた本を読んでみたりしていた。
この本は探していたものとは違ったのだが、立ち読みでハマッてつい買って帰ってしまったのだった…。
この本では『メディア・リテラシー』というものについて、慎重に、噛み砕いて、そして切実な願いと切迫感を持って書いている。
たまに聞く、『メディア・リテラシー』という言葉。
だが、私はよく知らないながらあまり興味もなく、ただ
「マスコミって信用できなくってイヤな感じ~。なんとなく腹立たしい気がする~。」
などと、なんとなくへそ曲がり的に思ったり、その割に情報はほとんどテレビ任せだったりしていた。
森達也さんは、マスコミの世界にどっぷりと浸かって歩んできた人だ。
その森さんが言う。
メディアは“中立公正で客観的”でありうるか。
「中立」「客観」の基準はどこにあって、誰が決めているのか。
メディアは、人に伝える前に、情報を整理してすっきりさせなければならない。
小数点以下は、四捨五入で切り捨てたり切り上げたりする。
時には、「四捨五入」には従わないで、6や7でも切り捨てるし、3や4でも切り上げる。
そうすると、情報を受け取った側の印象は大きくその方向に影響を受ける。
でも、読み進んでいるうちに、気がついてくる。
メディアがしている不思議な“四捨五入”は、私たちが「そうであるよう望む」方向にはっきりとなびいているのだと。
私たちは、理解しやすい事を望むし、思い通りなストーリーを望む。
たとえば、「犯罪を犯す人は、自分たちとはどこかが違う人だ」と思える事。
悪人が悪事を為しているという事。
期待通りの結末のドラマ。
私がこのブログを書いているのと同じように、森達也さんがこの本を書いているのと同じように、テレビの番組は「人」が、何らかの意志と方向を定めて作っている。
世界はそんなにシンプルじゃない。本当に多くの面を持っている。
それを意識するだけで、色々な事が違って感じられるようになる。
たとえば、『不二家』のニュース。
『あるある』捏造のニュース。
『女性は機械』発言のニュース。
みんなみんな。
小数点の下を切り捨て、シンプルで明快な情報としてしか受信できないとしても、それにあまり安易に呼応するのはちょっと怖い事かもしれない。
だけど、ちょっと心に留めておけば、きっと違う。きっと世界を見捨てずに済む。
だから、『世界を信じるためのメソッド(方法)』なのだ。
やっぱり達也ステキ。(笑)
そして、『よりみちパン!セ』シリーズ、最高。
とても簡単に読めるので、大人も子供も是非ともご一読あれ!(^o^)
もう一つ、前に読んだ森達也の本の話を書こうと思ってたけど、長くなりすぎた(T-T)
いずれ、また……どう思う?ヤツらはホントにいるのかなぁ?…(笑)
生年月日で表を探すと、トラとかサルとかタヌキとかの動物が書いてあって、「あなたの性格はこんなですよ」とその動物の人の特性が書いてある。
かなり流行ったので、やったことがある人も結構いるかもしれない。
その頃、私も調べてみたら、私の動物は『黒ヒョウ』と出た。
★黒ヒョウ……
『新しいものに敏感。喜怒哀楽が激しく、プライドが高い。』
え~、そうかなぁ?うん、でも、言われてみるとそういう部分もあるかもしれない。うん。
…とちょっと納得したところで、実は私はどこかで間違えていたらしく、本当は(?)黒ヒョウではなく『コアラ』である、という事が判明した。
★コアラ……
『楽しくなければ力が出ない。あくせくする事が嫌い。夢を大切にするロマン
ティスト』
黒ヒョウとぜんぜん違うやんけっ!!ヾ(`д´;)
でも、そう言われてみるとそうかもなぁ、うん。
そう思った段階で、私は動物占いを信じるのをやめてしまった(笑)
ぜんぜん違うのにどっちも「そうかもしれない」と思えるのは、人間のココロってものすごくいろんな面があるからなんじゃないか、と。
ちょっと調べてみると、サルの『一つのところにじっとしていない』とか、チーターの『立ち直りは早いが諦めるのも早い』とか、小鹿の『警戒心が強いが仲良くなるとワガママになる』とか、どれもこれも、「言われてみるとそうかもしれないなぁ…」と思えたりする。
それで「当たってる!!」ってのはズルいじゃないか(笑)
別に書きたかったのは『動物占い』ではないのだが(笑)
この前、本を読んでいて、このことをちょっと思い出したのだ。
読んだ本は、『いのちの食べかた』を書いた森達也さんの、同じ理論社の『よりみちパン!セ』シリーズの本。
『世界を信じるためのメソッド』
以前『いのちの食べかた』の事も書いたが、それ以降、著者の森達也さんがちょっと気になる存在になって、目についた本を読んでみたりしていた。
この本は探していたものとは違ったのだが、立ち読みでハマッてつい買って帰ってしまったのだった…。
この本では『メディア・リテラシー』というものについて、慎重に、噛み砕いて、そして切実な願いと切迫感を持って書いている。
たまに聞く、『メディア・リテラシー』という言葉。
だが、私はよく知らないながらあまり興味もなく、ただ
「マスコミって信用できなくってイヤな感じ~。なんとなく腹立たしい気がする~。」
などと、なんとなくへそ曲がり的に思ったり、その割に情報はほとんどテレビ任せだったりしていた。
森達也さんは、マスコミの世界にどっぷりと浸かって歩んできた人だ。
その森さんが言う。
メディアは“中立公正で客観的”でありうるか。
「中立」「客観」の基準はどこにあって、誰が決めているのか。
メディアは、人に伝える前に、情報を整理してすっきりさせなければならない。
小数点以下は、四捨五入で切り捨てたり切り上げたりする。
時には、「四捨五入」には従わないで、6や7でも切り捨てるし、3や4でも切り上げる。
そうすると、情報を受け取った側の印象は大きくその方向に影響を受ける。
でも、読み進んでいるうちに、気がついてくる。
メディアがしている不思議な“四捨五入”は、私たちが「そうであるよう望む」方向にはっきりとなびいているのだと。
私たちは、理解しやすい事を望むし、思い通りなストーリーを望む。
たとえば、「犯罪を犯す人は、自分たちとはどこかが違う人だ」と思える事。
悪人が悪事を為しているという事。
期待通りの結末のドラマ。
私がこのブログを書いているのと同じように、森達也さんがこの本を書いているのと同じように、テレビの番組は「人」が、何らかの意志と方向を定めて作っている。
世界はそんなにシンプルじゃない。本当に多くの面を持っている。
それを意識するだけで、色々な事が違って感じられるようになる。
たとえば、『不二家』のニュース。
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だけど、ちょっと心に留めておけば、きっと違う。きっと世界を見捨てずに済む。
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by ushimaton
| 2007-01-30 23:27
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by ushimaton
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嬉しくありがたく
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