難産
獣医さんも「今までで屈指」と言った牛の難産に立ち会ってしまった。
私はまだまっとうな(?)牛のお産をほとんど見たことがない。「気が付いたら産まれていた」が数回、死産が一回。
大抵の牛は破水から2、3時間で子供を産むらしく、その場に居合わせたことがない。立ち会うのは自然と「どこか普通と違う」お産の場合が多くなる。
子牛がなかなか出てこないときは、途中まで出てきた足に紐をかけ、みんなで引っ張ったりしてお産を助けるのだ。これは何度かやった(一月はこの牧場のベビーラッシュなのだ)。
結論から言って、今回の子牛は双子で、片方は産まれる前から死んでいて、もう片方も弱りきっていてすぐに安楽死。母牛は今のところまずまずだ。
こういう系の話が苦手な人は読まなくてもいいっす。
人々の中には、「メスの乳牛は、大人になると自然と乳を出すようになっている」と思っている人が意外と多い。私も昔はそう思っていたかも。
が、人間でもそうなように、牛も子供を産まないと乳は出ない。だから牛がオトナになると、人間は定期的に(大抵は)人工受精で牛を妊娠、出産させ、乳を絞る。
牛の妊娠期間は人間と同じくらいなようだ。理想では年に一頭ずつくらい子を産んで、乳を絞り続けること。
つまり乳を絞っている牛達はみんな、少なくとも産後で、さらに現在妊娠中か次の妊娠待ちのどちらかの状態ということになる。
そう考えると巨大産婦人科病院もびっくりの世界だ。
で、今回、破水からしばらくしてもまだ産まれてこないので、みんなで引っ張ることにした。丁度他の牛の診察で来た獣医さんも見に来てくれた。
子牛は前足、頭、体の順に出てくる。わずかに出てきた両足先に紐をひっかけ、「せーの」で引っ張った。
いつもはこれで「ずるりん」という感じに出てくるのだが、母牛や私たちがいくら気張っても、赤ん坊が出ない。
お医者が手を突っ込んで診てくれ、双子だと判明。しかもお腹の中ですごくおかしな形になっているらしい。
かなり悪戦苦闘してくれたが、結局の所は前述の通り。詳しくは説明が難しいが。
人の力ではどうにもならなかったため、滑車を使ってさらに強い力にして引いていくことにした。
だがそれでもなかなか出ない。じわじわ引いて引いて引いて……
ブチン!!
「…ブチン?」
引いていた紐の先に、子牛の足の先がブラリ(T_T)
切れた…。
おじさんやおばさんまでが「初めてだ」というおかしな形の出産だったが、たまたま獣医さんが居合わせたお陰で、母牛のダメージは少な目で済んだのが、せめてもの救い。
その数日前の朝私が発見した別の母牛は、寝そべってもがいていた。夜の間しばらく苦しんでいたらしく、死産だった上に母牛も立てなくなってしまった。
生と死が間近にある環境。そう考えると特殊なのかも知れない。
「見たくなかったら見ないようにしてください」と言って獣医さんが注射を打つと、微かに息をしていた子牛も程なく静かになった。
私はまだまっとうな(?)牛のお産をほとんど見たことがない。「気が付いたら産まれていた」が数回、死産が一回。
大抵の牛は破水から2、3時間で子供を産むらしく、その場に居合わせたことがない。立ち会うのは自然と「どこか普通と違う」お産の場合が多くなる。
子牛がなかなか出てこないときは、途中まで出てきた足に紐をかけ、みんなで引っ張ったりしてお産を助けるのだ。これは何度かやった(一月はこの牧場のベビーラッシュなのだ)。
結論から言って、今回の子牛は双子で、片方は産まれる前から死んでいて、もう片方も弱りきっていてすぐに安楽死。母牛は今のところまずまずだ。
こういう系の話が苦手な人は読まなくてもいいっす。
人々の中には、「メスの乳牛は、大人になると自然と乳を出すようになっている」と思っている人が意外と多い。私も昔はそう思っていたかも。
が、人間でもそうなように、牛も子供を産まないと乳は出ない。だから牛がオトナになると、人間は定期的に(大抵は)人工受精で牛を妊娠、出産させ、乳を絞る。
牛の妊娠期間は人間と同じくらいなようだ。理想では年に一頭ずつくらい子を産んで、乳を絞り続けること。
つまり乳を絞っている牛達はみんな、少なくとも産後で、さらに現在妊娠中か次の妊娠待ちのどちらかの状態ということになる。
そう考えると巨大産婦人科病院もびっくりの世界だ。
で、今回、破水からしばらくしてもまだ産まれてこないので、みんなで引っ張ることにした。丁度他の牛の診察で来た獣医さんも見に来てくれた。
子牛は前足、頭、体の順に出てくる。わずかに出てきた両足先に紐をひっかけ、「せーの」で引っ張った。
いつもはこれで「ずるりん」という感じに出てくるのだが、母牛や私たちがいくら気張っても、赤ん坊が出ない。
お医者が手を突っ込んで診てくれ、双子だと判明。しかもお腹の中ですごくおかしな形になっているらしい。
かなり悪戦苦闘してくれたが、結局の所は前述の通り。詳しくは説明が難しいが。
人の力ではどうにもならなかったため、滑車を使ってさらに強い力にして引いていくことにした。
だがそれでもなかなか出ない。じわじわ引いて引いて引いて……
ブチン!!
「…ブチン?」
引いていた紐の先に、子牛の足の先がブラリ(T_T)
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by ushimaton
| 2006-01-15 21:56
| まきばにっき
気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。
by ushimaton
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コメントの返事が
とどこおりがちですが、
嬉しくありがたく
読ませていただいています
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