オホーツク街道

f0032403_19452038.jpg

ここに来て、一人の時間にずっと読んでいる本がある。

司馬遼太郎『オホーツク街道』。
『街道をゆく』シリーズの38作目だ。
今年はじめ、私がオホーツク沿い某町でヒーヒー働いていたとき、友達がある日突然送ってきてくれた。
すごく嬉しかった。

ちなみにその友達が私に最初にHard to Findを伝授したのであり、写真や自転車やトルコの良さを教えてくれたのであり、生きること全部が悩みみたいなハタチ前後の頃のとりとめもなく真剣でおかしい夜更かしのおしゃべりなどに付き合ってくれたりした。

友達に恵まれてるなぁ自分。良き友でいっぱいでござるよ。

で、その頃からちびちび読んだりやめたりしていたのだが、ここでの仕事が決まって持っていく本を選ぶ時に、なんだかぴったりな気がして持ってきた。

テレビをつける気にもならない時(というかほとんどつけない)、ゆっくり読み進めていた。
なんでゆっくりかというと、私の脳みそではゆっくりじゃなきゃ意味が分からないから(^^;)
って紀行文よね、分類的には。おいおい自分。

読めば読むほどなんだか嬉しく不思議な気持ちになった。
かつてオホーツク沿岸にいたという、縄文やアイヌの人々とは異なる文化を持った「オホーツク人」の痕跡を探し歩き、考古学やアイヌなどにゆかりのある人々をたどる紀行文なのだが、私になんとなく関係のある場所や人が続々出てくる。

札幌以外の北海道で私が住みながら仕事をした町が次々と登場した。
地名を読むと、その辺りの景色が浮かんだりする。
あの辺の貝塚は、そんなに重要だったのかぁ、とか、ここには縄文からの遺跡が沢山あったんだ、とか。

大学で考古学の授業をしてくれた先生も出てきて驚いた。専門である考古学のための「手段」として、ロシア語がペラペラな先生だった。専門が他にあって語学を身につけている人っていいなぁと思ったものだった。

旅行をしながら気になって仕方なかった、蝦夷地時代の探検家(!?)、松浦武四郎が登場した。自転車で道東を回っていたとき、行く先々にこの名前があり、足跡に記念碑などがあった。この町にもある。
お気に入りの博物館も出てきた。ほんの数日前に手にとって読んだ本も!

さらに、記事にもしたことのある、私の好きな獣医師で写真家の竹田津実氏までが登場!
一緒に旅をしている画家の安野光雅氏が竹田津氏の本の挿し絵を描いていた縁で訪れたらしい。
持っている本に出てくる、「自分の足をかじるキタキツネ」の手術をされた直後の訪問だったというのがまた、「あっ、あのキツネだ!」などと反応しちゃったり(笑)

私の中のバラバラな記憶や経験が、本を読みながら、石のビーズに糸を通していくように連なっていき、不思議で楽しかった。
私って結構オホーツク系人間!?(^_^;)

知っているのは場所や人の名前ばかりで、本の内容は知らなかった様々な歴史や物語でいっぱいだった。

オホーツク北部の村の沖で、今から60年以上前にソ連船が座礁し、700人以上が亡くなったという。
大きな船でも出せない大時化の海に、最初に「信じがたいほどの勇敢さ」で沖へ向かったのは、「木ノ葉のような焼き玉エンジンの舟」に乗った地元の漁師たち。
現場にたどり着けず転覆し、おびただしい死体とともに流れ、岸に泳ぎ着いた。
それから大嵐の中400人余りを救助したのは、ソ連軍を見張るために派遣されていた技術将校など。切腹を覚悟して、独断で船を救助に出したという。
ものすごいドラマだ。だが知る人は少なく、私も全然知らなかった。

戦後北海道に引き揚げてきた、樺太の北方少数民族である女性を、網走から札幌へと車で連れて行った友人の「大変でした」という話。
彼女は、新しい山、新しい川に出くわす度に、車から降り、供物を供えるのだという。

そして、昔オホーツクの沿岸には、彼女のような信仰を持ち、漁労や海獣を捕って暮らしていた人々がいた。
縄文とも、それに続くアイヌとも違う民族、違う文化だったのだそうだ。

多分全然関係はないのだろうが、ここで一緒に働いている人々(血縁関係なしでも)の顔立ちに、いつも不思議な共通点を感じていた。
瞳の色が薄く、鼻筋の通った、なんとな~く独特の顔立ちの人が多い気がするのだ。
単なる偶然なのだろうが、こんな本を読みながらだと、ロマンゴコロが飛躍してしまいそうになる。

こりゃあ、遺跡巡りしながら帰らないとならないんでないかい!?
by ushimaton | 2006-09-08 19:45 | ほたてにっき


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


by ushimaton

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

☆★うしまとん★☆

 生まれと育ちは北海道

 震災被災地にお手伝い
 行っております

 コメントの返事が
 とどこおりがちですが、
 嬉しくありがたく
 読ませていただいています

 自分のブログの更新する余力がなかなかなくなってしまいましたが、日々の報告メールをこちらに出しております。
災害移動支援ボランティアRera


 
☆★リンク★☆

うしのつむじ
 牛の版画
ひまわりの家から
 手作り&子育て(休止中)
シーラチャーからこんにちは
 タイ子育て日記(移動前)
モロッコ雑貨 リヤド
 モロッコ雑貨とフェアトレード
うさぎのなみだ
 珠玉のひとこと日記
寺田本家
 千葉のおいしい造り酒屋
++明け烏++
 創作小説&日記
彷徨う語り鬼たちの杜
 創作小説
カナダ大平原のファームからの便り
 カナダの牧場
Cowbell's diary
 北海道の放牧酪農
照長土井の長岡日記
 但馬牛
北海道発 真っ赤なトマト
 激うまフルーツトマト
酪農生活100
 新サイトもあります
花のまわりをあるく歌
 手作り&子育て
打弦人生
 ハンマーダルシマー
フィールド オブ ドリームス
 関東の放牧酪農
Nayaカレンダー
 珈琲・カレー・天然酵母パン
うしカメラ
 牛写真家の牧場訪問記


◆笑いでウルオイを◆

ほぼ日刊イトイ新聞「言いまつがい」
虚構新聞

お気に入りブログ

代官山駅前日記
空を見上げて
バイオマスおやじの日々
ちょっとだけ大根
AZUのサンへーブログ。...
そらまめ~北海道便り~
世界は知らない事ばかり
なかじまや

以前の記事

2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
more...

検索

ライフログ


ナヌークの贈りもの


ともだちは海のにおい


いのちの食べかた


神さまってなに? (14歳の世渡り術)


ムーミン谷の冬 (講談社文庫 や 16-5)


どうぶつさいばん ライオンのしごと


ことりをすきになった山


ぐるんぱのようちえん(こどものとも絵本)


HARD TO FIND Vol.2


あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ

カテゴリ

つらつら
気になること
おすすめ!
ともだち&チビッコ
自分のこと
うち
ウシ話
旅のそら
まきばにっき
ほたてにっき
はたけにっき
みなみにっき
東日本大震災

タグ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧