薬とか宇宙とか英語
何度か書いたが、古本屋の105円ショッピングが好きで(105円が好きというか、慢性金欠で105円ばかり見てしまうというか)、しかし本を読むのが超遅い&長時間読むと途中で飽きてしまうため、一冊を読むのにも結構日数がかかる。
が、みっちゃんの家でのんびりする時だとか、家に帰ってきてからだとかで、最近は割と早いペースで何冊か読んだ。ってたぶん月に1冊半とか(^^;)
結構面白かったよー。
ちょっと前になっちゃうのだが、レイチェル・カーソンの伝説的(?)著書『沈黙の春』。
私が生まれるよりもずっと前に書かれ、日本語版はちょうど生まれた頃に発行されている。
古本屋で買ったこれは、平成13年、第56刷らしい。
「便利な魔法の薬」のようにして農薬が世の中に出回り始めた頃、彼女のように農薬や化学物質に危惧を抱き、警告を発した人は、どのくらいいたのだろう?
化学薬品の知識がないので、何もかもがかえって恐いような気がしてきたりする。何でもかんでも「わからないから恐い」よりは、ちゃんと勉強して「手放しに恐い状態」をきちんと落ち着かせたいもんだ。
が、一方で、私はそれほど「無農薬有機栽培!」などの言葉にはこだわっていないイージー人間(笑)。「残留農薬には気をつける」と言っていた以前のオヤブンの言葉があるし。
畑作の仕事をしていたとき、無農薬栽培をうたっている農家でも、実際は夜中に散布する事もある、と聞いた。
その行為を非難するより前に、「無農薬がいい」と言うくせに形の揃った、虫のついていない野菜を求める小売業者と、ゆえにそれが当たり前だと思ってしまった消費者に、現実離れしたおかしさがあるという事を感じた。
カーソン氏は、無思慮に農薬などを振りまく事がどれほど危険かを慎重に強く警告しつつ、頭から否定するのではなく、「使用するときはごく慎重に」という姿勢でいた。
理論よりまず真摯で誠実な彼女自身に好感を覚えた。
『一種類だけの生き物を殺す薬などはありえない。』ということ、『人間にとっての“害虫”のいない状態が“バランスの取れた自然”ではない。』ということ、などなど。勘違いしてしまわないようにしなきゃと思った。
そして、薬に頼らないとどうしようも出来ない場面もあるという現実と。
これだけ増えた人間が生きるにはどうしたらいいもんなのか、問題はとっても複雑で難しいのだろう。
谷川俊太郎の『空に小鳥がいなくなった日』を思い出す。
“空に小鳥がいなくなった日 空は静かに涙ながした
空に小鳥がいなくなった日 ヒトは知らずに歌いつづけた”
虫や鳥や魚は、何故だかわからないままに死ぬ。
人は何故かは大体わかっても、彼らがそうやって死んでいることが、よくわからない。
それから、日本の同時通訳の第一人者、村松増美氏の『私も英語が話せなかった』。
歴代の首相や大統領に付き、様々な業界の第一級の会議で同時通訳をこなしてきた“ミスター同時通訳”の、英語を学ぶ人への思いや上達へのコツ、自分の失敗談などを軽快に書いた本だった。
私自身が、口に出すのも恥ずかしいくらい話せないくせに外国語学部出身という事や、外国の人と話をするときにいつも苦労をして、そのたびに「語学をちゃんとやろう」とアサハカに決意する(笑)こともあって、こういう人々がどうやって語学をモノにできたのかに興味津々で買ってみた。
うーむ、脱帽。語学の学習を心から楽しんで、しかも(だから?)ものすごく意欲的に英語を吸収されている。語学力よりもその意欲をまず分けていただきたい!
「国際会議の場に行くと、皆がそれぞれのお国訛りの英語で話している。自分の英語に誇りを持って良い。LとRが区別できないのは日本人だけではない。大事なのは発音の良し悪しでも流暢な話し方でもない。英語という”手段”ではなく、伝えたい“目的”の方なのだ。」というような事が書かれており、ちょっと嬉しくなった。
私も、もちろん言葉も身につけたいが、いい“中身”のある人間になりたいなぁ。
幸村誠の漫画『プラネテス』(全4巻)は、もっと前に買った(105円よりも高かった(笑))のだが、無性に読みたくなってまた引っ張り出し、読んだ。
深い漫画っすねー。好き。
近未来SFなのだが、夢あふれる宇宙旅行でもなく、ロボットとか宇宙戦争とかワープとかでもない。
現在もすでに問題になりつつある“宇宙ゴミ”、すなわち秒速数キロで地球の周囲を回り続ける、人工衛星などの部品や打ち上げた時の破片など(これらが他の軌道の人工衛星などと衝突すると、ものすごい破壊力を持つ)を拾い集める職業の人々が主人公のお話だ。
内容はリアル。宇宙生活が長く続き、宇宙放射線に被爆する職業病、宇宙時代の恩恵を受ける先進国と貧しいままの途上国、「正義の行使」で爆弾を大量に軌道投入する大国など…。
ネガネガを噛み締めつつ、ポジティブなところが好きっす。
図書館に行こうかなーと思いつつ、まだ買って読んでない本が残っているとそれも気になったり。でもなかなか進まなかったり。
ジャンルの違う本を交代で読み進めたり。
でも、いつも本を読んでいるわけでもなかったり。
あ、まだ読んだ本あったっけ。
また今度書ーこーうっと。
が、みっちゃんの家でのんびりする時だとか、家に帰ってきてからだとかで、最近は割と早いペースで何冊か読んだ。ってたぶん月に1冊半とか(^^;)
結構面白かったよー。
ちょっと前になっちゃうのだが、レイチェル・カーソンの伝説的(?)著書『沈黙の春』。
私が生まれるよりもずっと前に書かれ、日本語版はちょうど生まれた頃に発行されている。
古本屋で買ったこれは、平成13年、第56刷らしい。
「便利な魔法の薬」のようにして農薬が世の中に出回り始めた頃、彼女のように農薬や化学物質に危惧を抱き、警告を発した人は、どのくらいいたのだろう?
化学薬品の知識がないので、何もかもがかえって恐いような気がしてきたりする。何でもかんでも「わからないから恐い」よりは、ちゃんと勉強して「手放しに恐い状態」をきちんと落ち着かせたいもんだ。
が、一方で、私はそれほど「無農薬有機栽培!」などの言葉にはこだわっていないイージー人間(笑)。「残留農薬には気をつける」と言っていた以前のオヤブンの言葉があるし。
畑作の仕事をしていたとき、無農薬栽培をうたっている農家でも、実際は夜中に散布する事もある、と聞いた。
その行為を非難するより前に、「無農薬がいい」と言うくせに形の揃った、虫のついていない野菜を求める小売業者と、ゆえにそれが当たり前だと思ってしまった消費者に、現実離れしたおかしさがあるという事を感じた。
カーソン氏は、無思慮に農薬などを振りまく事がどれほど危険かを慎重に強く警告しつつ、頭から否定するのではなく、「使用するときはごく慎重に」という姿勢でいた。
理論よりまず真摯で誠実な彼女自身に好感を覚えた。
『一種類だけの生き物を殺す薬などはありえない。』ということ、『人間にとっての“害虫”のいない状態が“バランスの取れた自然”ではない。』ということ、などなど。勘違いしてしまわないようにしなきゃと思った。
そして、薬に頼らないとどうしようも出来ない場面もあるという現実と。
これだけ増えた人間が生きるにはどうしたらいいもんなのか、問題はとっても複雑で難しいのだろう。
谷川俊太郎の『空に小鳥がいなくなった日』を思い出す。
“空に小鳥がいなくなった日 空は静かに涙ながした
空に小鳥がいなくなった日 ヒトは知らずに歌いつづけた”
虫や鳥や魚は、何故だかわからないままに死ぬ。
人は何故かは大体わかっても、彼らがそうやって死んでいることが、よくわからない。
それから、日本の同時通訳の第一人者、村松増美氏の『私も英語が話せなかった』。
歴代の首相や大統領に付き、様々な業界の第一級の会議で同時通訳をこなしてきた“ミスター同時通訳”の、英語を学ぶ人への思いや上達へのコツ、自分の失敗談などを軽快に書いた本だった。
私自身が、口に出すのも恥ずかしいくらい話せないくせに外国語学部出身という事や、外国の人と話をするときにいつも苦労をして、そのたびに「語学をちゃんとやろう」とアサハカに決意する(笑)こともあって、こういう人々がどうやって語学をモノにできたのかに興味津々で買ってみた。
うーむ、脱帽。語学の学習を心から楽しんで、しかも(だから?)ものすごく意欲的に英語を吸収されている。語学力よりもその意欲をまず分けていただきたい!
「国際会議の場に行くと、皆がそれぞれのお国訛りの英語で話している。自分の英語に誇りを持って良い。LとRが区別できないのは日本人だけではない。大事なのは発音の良し悪しでも流暢な話し方でもない。英語という”手段”ではなく、伝えたい“目的”の方なのだ。」というような事が書かれており、ちょっと嬉しくなった。
私も、もちろん言葉も身につけたいが、いい“中身”のある人間になりたいなぁ。
幸村誠の漫画『プラネテス』(全4巻)は、もっと前に買った(105円よりも高かった(笑))のだが、無性に読みたくなってまた引っ張り出し、読んだ。
深い漫画っすねー。好き。
近未来SFなのだが、夢あふれる宇宙旅行でもなく、ロボットとか宇宙戦争とかワープとかでもない。
現在もすでに問題になりつつある“宇宙ゴミ”、すなわち秒速数キロで地球の周囲を回り続ける、人工衛星などの部品や打ち上げた時の破片など(これらが他の軌道の人工衛星などと衝突すると、ものすごい破壊力を持つ)を拾い集める職業の人々が主人公のお話だ。
内容はリアル。宇宙生活が長く続き、宇宙放射線に被爆する職業病、宇宙時代の恩恵を受ける先進国と貧しいままの途上国、「正義の行使」で爆弾を大量に軌道投入する大国など…。
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by ushimaton
| 2006-08-22 23:59
| おすすめ!
気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。
by ushimaton
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