パズルのまんなか

先日、ミホちゃんと品川駅で待ち合わせた。
行き先は、品川駅から徒歩でほんの5分…

f0032403_2152436.jpg品川のピカピカのビル街の真ん中に、牛がいる!
ここは東京都中央卸売市場食肉市場・芝浦と場
牛と豚の“と畜”と解体、セリを行っている場所だ。

生きている牛、と、スーパーの肉。
その間にある過程はミッシングリンク(ちょと違う!?)、ほとんど知らない世界だ。
よく知らないその「動物はどうにかしてと畜され、切り分けて売られるらしい」という部分に、行ってみた。

事前にミホちゃんが電話で問い合わせてくれ、「衛生上の理由でと場は見学できない」と言われていた。
だが場内に『お肉の博物館』というのがあって、こちらは見学できるという。
とりあえず、それを見てみる事にしたのだ。

f0032403_21501547.jpgお肉の博物館には、芝浦と場の歴史から、牛や豚の種類、と畜されてお肉になるまでの過程、そこで働く人たちの事、皮や肉の種類などが展示されていた。
館内は私とミホちゃんしかいなかったため、受付のおじさんが色々と話をしてくれた。
と場の見学は出来ないが、ビデオがあるとの事。持ってきてくれ、広い視聴覚室のような部屋で見せてくれた。

教育系のプログラムによくあるように、マンガの男の子と女の子、それと博士みたいなキャラクターが出てきて、「お肉はどうやってできるのかな?」「じゃあ、わしが案内してやろう。」という感じの会話をして、と場を案内していく。
そんなのほほんとした(?)運びなのだが、中身はすべて、ホントにすべて実写だったのには意表を突かれた。実際のと畜や解体は、男の子や博士みたいマンガかイラストなのかな?と思っていたら、本物の映像を最後まで見せてくれた。

大きな部屋に入って、健康状態をチェックされる牛。車の自動洗車機みたいなものできれいに洗われ、一頭ずつ並んで細い通路を歩く。
どん詰まりで壁に四方を囲まれ、と思ったら額に金属の筒のようなものが当てられる。その瞬間に、もう牛は気を失って、そしてそれと同時に壁が開いて傾斜を滑り落ち、待っていた職人が喉元を一太刀で切り開き、一気に血を出し切る。
全ての過程がものすごい正確さで、全部で数秒で終わってしまう。息を呑む早業!
その後もすべての人がすごい連係プレーで、首を切り取り、足を切り取り、逆さに吊るして腹を切る。沢山の内臓がぶるぶるどさっと流れ落ちる。
皮をはぐ。脊髄を吸いだす。背骨に正確に合わせて、半分に分ける。途中、何度か検査を受ける。
全ての過程を終えるのに、たったの50分しかかからない。すごい職人技だ。

もう、半身になって天井のレールから下りる鈎針から吊るされる姿は、どこかで見た事のある「肉」の姿だ。
だが、なんだか「肉」に見えない。どちらかというと「半分になった牛」に見える。なんでかな?
吊るされた牛は、まだ振動にプルプル揺れている。ああ、そうか。こんな風にぐにゃぐにゃプルプルした「肉」を、私たちはあまり見た事がない。
どこまでが「牛」で、どこからが「肉」だったんだろう?

博物館のおじさんに聞くと、豚も牛も、申し込めばセリの見学をさせてくれるのだという。
早速事務所へ行き、翌日の見学の申し込みをした。

翌朝、都の職員の方が案内してくれ、セリの見学をした。
冷蔵されてセリ場に登場した肉は、カチカチで「肉」だった。
枝肉は、半身で200キロから300キロもある。場内に張り巡らされたレールを伝ってブンブン移動している。ぶつかったら軽く交通事故だ。ちょっとドキドキした。
あばらのあたり、まさにリブロース?が細く切り取られ、肉の具合が覗けるようになっていた。覗くと見事な霜降りだ。等級分けされたハンコが押され、牛の種類や重さが書かれたシールが貼ってある。
セリの参加業者たちが肉質を調べて次々に競り落としていく。当然だが和牛の方が交雑種、いわゆるF1よりも高かった。
東京の市場に、メスの乳牛はほとんど入ってこない。牧場で乳を搾られていたのが廃用になった、といういきさつの牛は、わざわざ東京まで運んでセリには出されないらしい。
だが、わずかに「枝肉」となって持ち込まれたホル雌の肉が、壁に張られた前日の競売結果表にあった。
上質の和牛は、キロあたり1800円くらい。
ホル雌…440円とか…(^^;) 違うねぇ…。

「熱心ですね。学生さん?」と聞かれた。牧場で働いてたもんで…などと言うと珍しがられる。
畜産関係の学生や獣医さんなどが来る事がちょくちょくあるらしい。

牛や豚→??→肉、の真ん中の「?」のピースを見る事ができた。
一人だったら行かなかったろうし、誘ってくれたミホちゃんに感謝したい気持ちになった。
「ひ~」とか言いながら観たビデオはなかなかの衝撃映像だったが、見ておいて損はないものだなぁ、と思った。
子供たちに見せるのは、慎重に気をつけてでないといけないかもしれないが、とにかく「百聞は一見にしかず」。なんか、意識が深まる…ような気がしたぞ。

完璧な技術で牛を一瞬にして気絶させる職人さん、正確に一気に血を抜いて、あっという間に終わらせてくれる職人さん。
私たちはどれだけ彼らに感謝しなきゃならない事か。
一億人が矛盾的に目を背けている「命を奪う」という作業をその肩に受け止めてくれてるんだなー。

f0032403_22594191.jpg夕方からは、牧場に実習で来てくれていた東京在住のななほちゃんが来てくれた♪
久々で3人でおしゃべり。楽しかったー!

居酒屋で、モツ串の盛り合わせを注文して、「これはどの部分の肉ですか?」とかいやに詳しく訊いたりした(笑)

興味のある方、一度行ってみてはいかが!?
by ushimaton | 2006-06-03 23:23 | ウシ話


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


by ushimaton

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