牛好き牛飼い考

昨日、ついに札幌でミホちゃんと会った。
先月まで私が働いていた牧場での先輩スタッフ(年はまだ若い!)で、以前私が記事に書いたことのある“牛を描く人”の、ミホちゃんだ。
一年半の勤務を終え、ついにシャバへ…いや、外の世界へ…いや、とにかく牧場から出て来て、札幌のおばあちゃんのお家に滞在しているのだ♪

札幌と言えば…の?『きのとや』のケーキを食べて、向こうにいる間から「行こう!」と言い合っていたタイ料理屋へ!うまかった~。

食べながら、久しぶりの牛ネタ&牧場ネタの話で大盛り上がり。
向こうでの生活は、かなり意図的に「スタッフだけの時間」を持つことが出来ないようになっていたし、また忙しかったり眠かったり(笑)で、じっくり話をする機会を見つけるのはとても難しかった。
だから、のびのびと話が出来たのは初めてかもしれない。帰る直前、寝たふりをして朝まで話しこんだ時、ミホちゃんはいなかったし。
「あの時ってこうだったんだよね…」「あー、それわかる!」などなど、なんだかテストの答え合わせみたいな状態で(笑)大いに話に花が咲き、気持ちがひとつ整頓できたような感じで、妙にすっきりした。

私は忙しい季節の前に辞めてしまったのだが、彼女は本当に忙しい時期の、一日16時間しかも休憩なし状態の勤務などを、手取り月10万円の待遇で乗り越えてきていた。
「よくやったよね。」と私が言うと、ミホちゃんは「牛がいたから…」と言った。
そう、彼女は牛を愛している。
以前も書いたが、私はそれが不思議だった。
素晴らしい版画を描く彼女は、今は牛以外のものを描く気にならないという。だが彼女は決して牛や酪農を夢想的に美化して捉えるクチの人ではない。現実的で地に足が着いているし、とても良く仕事が出来る。私がつい引いてしまう種類の感傷を振りかざすタイプともまるで違う。まだ新入りの私などよりもずっと淡々としているくらいだ。
そうでありながら、牛が好きなのだ。

私は、もちろん牛が嫌いという訳ではないが、牛が特別に好きという訳でもない。
むしろ、特別に感じるようになるべきではないような気持ちでいた。
生き物の世話をしていて愛着が湧いてしまうのは、ほとんど本能だと思う。そうでありながら、そいつらから搾取し、殺してしまうのだ。嬉しいと思うはずもない。
それなのに、その生き物を愛するなんて…。

だが昨日(あ、日付が変わって一昨日か)彼女と話していて、ちょっと私の中が変わった。

「牛を描き続ける限り、“蚊帳の外”でいたくない、背負っていたい。だから酪農をしたい。」とミホちゃんは言っていた。それ以前に単に牛の側にいるのが一番幸せだからなのだろうけど(笑)。
イイトコ取りで草原でのんびり草を食む姿だけを眺めて「あー、牛かわいいー♪」と言っているのが嫌なのだ。好きだから余計に目を向けたくない部分にもしっかり関わっていたいのだろう。(もちろん、牛舎仕事そのものは楽しい日々なのだし)
私も含め、ある意味「都会的」「若造」なものの考え方ではあるのだろう。
だけど、彼女のその淡々としながらも痛々しいピュアさが私は大好き。

彼女と話をしていて、私は自分の中で多分かたくなになって「経済動物として飼っている生き物に特別な愛着を持って歩み寄ってはいけない」と思っていることが、それほどの意味を持たないことなんじゃないかと思えてきた。
どの運命を背負った生き物であれ、それはどれも単なる生き物、なのだな。
韓国や中国などの昔から犬を食べる文化を非難する人々を見ると、なんだか違和感を感じる。
「犬は愛玩動物だから食べるのは残酷」?うーん…?(食べたいわけではないけど(^^;))
よく欧米の旅行者に、「鯨は知能が高くて素晴らしい生き物なのに、どうして日本人はそれを獲って食べるの?」と訊かれた。でも、牛にだって豚にだって鶏にだって個性も知能もある。
実は、生き物の種類がどうって問題じゃなく、ペットを飼い野鳥を愛でつつ生活しているという段階で、根源的にすでに矛盾だらけな生き物なんだ、私達。
そういうもんなんだ、ただ単に、それだけなんだ。なんて思った。
うまくまとまらないが(-_-;)

f0032403_0571439.jpg

昨日の昼、用事があって中の島に行った(せりママ化粧水ありがとうw)後、なんとなく札幌駅まで歩いてみた。地下鉄駅で5つ分。意外と普通に歩けるもんだのう。
中島公園はクロッカスが咲いていたよ。まだまだ寒いけど。
by ushimaton | 2006-04-27 01:19 | ウシ話


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


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