べっぴんコンテスト

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牛の「美人コンテスト」というものがある。
その名は、『共進会』。
全国の選ばれし美人いや美牛たちが集い、チャンピオンを競うという、まさに美人コンテストである。
出品者は酪農家さんたち。
育て上げた自慢の美牛をエントリーさせて、厳しい審査を受けるのだ。

北海道で色々な酪農家と関わったが、共進会に出品しているとか興味があるとかいう人々にはほとんど会ったことがなかった(笑)
こっちの人々の方が一生懸命なんでないかなあ?
お金と手間がめちゃくちゃかかるし、直接の利益はないし、好きである程度余裕がないとしないんだろうな。

フケンでは最大級だという共進会の見学に連れて行っていただいた。
金曜日の夜、仕事の後で車を乗り合わせて静岡まで。
季節はずれの寒波で、信じられないくらいに寒い!(*_*)
セーター、フリース、ダウン、仕事の防寒着を着ても震える異常事態であった。

共進会に来たのは、まるっきり初めてである。
伝え聞きなどで、なんとなくどんななのかは想像していたが…
すごかった、いろんな意味で(@_@)

そもそも、「美牛」ってどんなのが「美牛」なの??
乳を搾るのが目的の乳牛に、“美しさ”ってなんの意味があるの??
コンテストの存在意義ってなんなの??
いろんな「??」がたくさんの私。
だから、とにかく現場を体験できるというのはいい経験だと思ったのだった。

行きの車の中で、共進会の牛の話・基礎編をあれこれ教えていただいた。
「美牛」とは、「や〜んかわいい顔〜♪」だとか「この白と黒のバランスが…」だとか、そういうコトではない。
乳牛は、やっぱり乳牛なのである。かわいい顔だからイイ牛とか言っていられないのである(笑)
しっかり出る乳であり、それが垂れ下がっていないこと。搾乳の時にやりにくかったり、大きすぎて邪魔になったりしないよう。
牛の乳は、デカいとたくさん出るというわけではないのだ。
他にも、背中の骨が鋭角的で皮が薄い(余計な皮下脂肪がついていない)、後ろの足が強い(大きく重い乳を支える強さ)、おとなしく歩く(従順さ)…などなどなど、ほとんどの基準には、乳用牛としての裏付けがあるらしい。

ただ、ものすごいガチンコ勝負なので、基準は「そこまで!?」というくらいに厳しく、出品者たちはほとんど命がけ?というくらいに(笑)入れ込んでいる。
北海道よりフケン向きって気がするなぁ、やっぱし。いや北海道の共進会はかなりのハイレベルらしいけど。そもそも牛たくさんいるしね(笑)
夜の12時くらいに到着した会場には大量の家畜車やトラックなどが溢れていた。
コンテストに出る牛たちは、それぞれ個室に入っていて、マンツーマンいや牛ツーマンに寝ずの番の人々が付き添っている。
とっっっても寒かったので、毛布をかけられた牛もいる。
ピカピカに洗われ、毛刈りをされた牛は、寝ずの番の人々によって、糞尿はバケツに受け取られお尻は綺麗に拭かれ、ピカピカのまま朝を迎えるべく細心の注意を払われている。
早朝、彼女たちは再び洗われ、最後の毛刈りをされる。
毛刈りも真剣そのもの、牛を良く見せるための様々なテクニックを駆使しての勝負だ。

共進会に出す牛は、数ヶ月いや数年単位で準備が進められている。
いい体になるための餌やりや運動、おとなしく引かれて歩く訓練。首を上げて歩く練習。種付けのタイミング。
当日は丁度良く張った乳を作るために搾乳時間の調整。などなど。

普段の牛仕事とは全く違う、まるっきり別世界だった。

人も大変だけど、牛も大変だなや〜。
見知らぬ場所に連れてこられて磨かれて引き回されて。
頭を上げた、牛にはとても不自然な形で歩くのが大変なのか、顔を引き締めて見せるために顔の皮をつねって歩いているからか、全く関係ないのか、涙ぐんで引かれて歩く牛たちを見ていると、
「お疲れさま、難儀だねぇ。」
と声をかけたくなる(^^;)
いや、何もなくても牛って何故か涙ぐんだりしてるけどね(笑)
トロフィーがかわいかった♪


人間が決めた「美牛」の基準のコンテストだけど、同じように牛たちが人間を「いい人間」コンテストするとしたら、どんな人間が「いい人間」になるのかなぁ、なんてぼんやり考えてみたりして。
ギャーギャー追わない人間?いやそもそも、「いやなことをしない人間」となったら、牛舎の人間全部アウトだな。
「あの人間はウシにKYで乱暴だから、淘汰!」
とか言われて廃用に出されちゃうとか(^^;)きゃ〜。


一番の謎、「なんでこんなことしてんの?」でありますが。
いろんな大義名分あるのでしょうが。質の向上とかそういう。
でも一番印象に残ったのは、まだずいぶん若い酪農家の跡取りさんが、
「楽しい。色々な人と話せてつながるし。仕事が楽しくなる。」
と言っていたこと。
好きや嫌いの方向性はそれぞれだろうが、共進会が好きで仕事が楽しくなるのなら、それだけでじゅうぶん良いことだと思う。

しかし、参加っちゅうよりは見るもんだな(笑)
徹夜で牛のウンコを見張ってバリカンかけるとか、ホントに好きじゃなきゃできないな〜(笑)
ともあれ貴重な経験でした。
by ushimaton | 2010-04-19 21:29 | まきばにっき


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


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