初めて面接で感激した話。

どういうわけか、いや大体は自分で決めてなんだけど、農業含むいろんな職場を経験してきた。

初めて畑作、酪農の仕事をしたのは9年前。
去年の秋にもお世話になった、オホーツクの町。
「これは何の葉っぱですか?」「ジャガイモ。」
「牛も赤ちゃん産まないと乳が出ないんですか!」「そうだよ。」

そんな極基本の基本から何も知らなかった私に、たくさんのことを教えてくれた。

それからも色々なところで色々な事があり。
だいたいにおいて、とても人に恵まれているこれまでの私なのだが、それでも様々なものと出会う。
仕事というのは、業種ではくくれないくらいに様々な職場があるものだと思った。

あるときは、面接後の上司との面会で、
「一生懸命頑張ります。」と挨拶をしたら、
「いや、うちの会社にとって、あなたが一生懸命やるとかやらないとかはどうでもいいんです。
われわれにとって重要なのは、あなたが使える人間かどうかということなんです。」

と言われたこともあった。
別に私に意地悪しようと言ったのではなくて、見方を変えるととても熱心な部長さんでもあった。
まーそういうコト言っちゃうタイプなので、あんまり部下の評判は良くなかったけど(^^;)

3時に、「お茶、飲みますか?」と訊いたら、
訊かないで黙って淹れて来て欲しかったとかで、
いきなり机のものを床に払い落としながら暴れる専務のいる職場とか(T_T)
自分で淹れれ~(心の声)

「うるっせえ!黙って俺の言う通りにしろ!」
といきなりキレる親方にビクビクする職場があったり。

「どうしてこれをするんですか?」と訊いたら、
「そうって決まってるから。」と言われてよくわからなかったり。

同僚は、
「どうしたらいいか、とか、何をすべきか、っていうのは、私たちの考える事じゃない。
使う人がそれを考えて、言われたことをするのが私たち。」

とアドバイスをくれた。
ある意味これもすごいプロ意識。
お金を貰って使われているからには、理不尽でも意味不明でも、言われたとおりに働く。
ただ、私は、なかなかその境地には至れないのだ。

使ってもらう立場の人間として、
言われたとおりに言われたことだけをしてほしい”、と希望される職場と、
自分で判断して工夫しながらやって欲しい”、と希望される職場があるのだな、大きく分けて。
前者的な使われ方でやっている人たちにとっては、後者のような「自分の判断」を求められるような仕事は、
「上司の指示がいい加減すぎる。」という不満になる。
それが反対だと、
「意見が反映されない。」という不満になる。
上の人間にしても、その反対の不満。
どの立場も不満だらけで、でもたぶんどれが正しいとかではなくて、どういう関係かというだけなのでしょうな。

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       ↑ 空いた時間に寄った植物園。今回絵的なものがないので…笑


長い前置きになったのだが。

今回面接に伺ったときのお話が、私にはとても印象的だったのだ。


前にちらっと書いたが、研究農場の牛舎の求人だった。
“研究”なだけに、仕事内容はどこまで書いてよいのかわからないので、多くは書かないが。
とても興味深い研究で好印象だったのだけど、こんなごく個人的なブログがまかり間違って
思いがけない誤解や影響を及ぼしてしまうと不本意なので…。(考えすぎ?)

研究農場といっても、というか、だからこそ、実際の農場に通ずる部分も大きい。
湯水のように資金がつぎ込まれるようなシステムではない。
農場としての採算、経営などを考えながら、やりくりしていくことも研究の一環というか。
たとえば素晴らしいものができたからといって、実際の農家の経営で負担の大きすぎるものなら意味がない、
そういうこと、かな。
(まだなにもわかってないんでありますが)

自分達の牧場で生まれた雌牛を後継牛として育て、長く現役を続けられるように体調に気を配り、
大切に育てる。もちろん搾乳もする。
健康な牛たちが健康に生きる環境があってこそ、本題である仕事に取り掛かれる。
私が携わるのは、その環境を作って維持すること。
つまり、「牛飼い」なのだよ。

私の履歴は、大変にけったいなものである。
突っ込みどころだらけ。
年齢もいつの間にか上限に引っかかることを心配する世界になっている(T_T)
それらを含んだ様々なマイナス要因の言葉をもらう事が年々増えていき、
自分で望んだ生き方とはいえ、面接というのは決して楽しみなものではなくなってきていた。
しかも、取り繕おうと努力するとすごい高確率で失敗する(爆)
どうなるかわからないが、思っていることを言う以外にできなそうだ、と腹をくくる。

農場長さんは、現場と自分の仕事に愛情を持って取り組んでいる人なのだろうなぁ、と感じた。
それだけで、その環境は悪いものではないと思う。

「色々な事をされてきているようで…。」
「ハイ…。」

申し訳ないような気持ちになる。色々な世界に首を突っ込んでいるから、どれもこれも中途半端で役に立たない。
「…そんな方が、保障に限りのある契約社員という形の採用になってしまうこの仕事で、いいですか?」
うわぁ…。
この妙ちきりんな履歴書の文字列を、“たくさんの経験を積んだ”と捉えてくれるのか(;_;)
「ハイ、待遇には全く不満はありません。」いやホント。

「基本的に、牛舎の牛の世話をお願いすることになるのですが、ただ言われたことをするのではなくて、
全体の流れを知って『どうしてこの仕事をしているのか』を考えながら働いて欲しいんです。
慣れてきたら、自分の意見も言ってもらったりしたいのです。大丈夫ですか?」

ぎゃー(TДT)初めて言われたそんな質問。
もちろんですぅ頑張りますぅー。

「そのうち、マネージメントもおぼえてもらいたいんです。牛の世話をしているだけでは、
本当の酪農を知っていることにはならないですから。」

まねーじめんと!
これこそ、ただの下っ端従業員には触れることもなかった禁断の世界。
牛の世話がわかってきたと言っても、酪農に関わる収入や支出や経費や、乳質うんぬんなどという世界は
全く謎のカーテンの向こう側というイメージだった。
どの仕事に携わっても、一人では何もできない中途半端さや応用力のなさを感じていた。
まねーじめんとに向かない自信は満々だが(おい)、知ってこその全体像であり、知ってこその応用力なのだろう。

だが、これだけは、確認しておきたい…たとえ自分に不利であっても……。
「あの。私は、農業に多少の経験はあっても、たぶんすぐには役に立たないと思います。
私はそのー、決して要領とか記憶力とか良い方ではないし、できるだけ早くお役に立ちたいと努力しますけど、
ご迷惑もおかけしてしまうことと思うんですが…大丈夫ですか?」
「誰だって、始めはそうですよ。」


職場にこれ以上何も要望はございません。

いつも自信なんてゼロで新しい仕事に向かう私なのだが、今回は今までに輪をかけて、
頭脳的についていけるか、がっかりさせやしないかと不安になってしまうのだった。
なんていうか、学校の勉強みたいな頭脳じゃないんだよね。学校の勉強もできなかったけど(笑
背伸びすると自爆するタイプだから、できることをじわじわ重ねるしかない。


全く初めての分野というわけではない、牛の世話。
だからこそ、するとなったらただ珍しがってするのではなく、もっと踏み込んだ関わり方がしたかった。

その機会を思いがけず紹介していただいて、本当に感謝である。

そういうわけで関東民となりまする。
しばしの間、よろしくお願いいたしまする。
by ushimaton | 2010-02-15 17:24 | 自分のこと


気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。


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