海上暮らし、選挙の島
慶良間で贅沢独り占めの海をのんびり過ごしていると、携帯が鳴った。
…というか、一人旅ではありながら、毎日のように元の島のいろんな人から電話をもらったりしてるんだけど。
「今どこ?」とか「早く帰っておいで」とか(早くってちょっと…笑)、「ネットでこういう商品を買いたい」とか「あそこの畑の点滴ホースって巻き取ってあったんだっけ?」とか「管理ソフトいじったら変になった」とか…(-_-;)
そんな電話に混じって、沖縄本島でサバニに乗せてくれたりしていた例のうみんちゅ達からの電話が来ていた。
「まとんちゃん、今どこね?」
「慶良間だよー。これから石垣に行くよ。」
「あーそうね?俺たち今石垣だよ。船が故障して。部品が月曜まで届かんからよ。」
「私月曜に石垣行くんだよ!じゃあ絶対いるね(笑)」
「じゃ~こっち遊びおいで!迎え行くからよ。」
そんなわけで、石垣でまたまたうみんちゅと合流した(笑)
船の修理で石垣に残っていたKさんとYさんは、島にいる頃から顔見知りだったうみんちゅの中でも、特に仲良しメンバーだった中のふたり(ちなみにおじさま達よ)。
なかなか直らない船にやきもきしていたに違いないのに、KさんYさんは時間を作って、あちこち連れて行ってくれた。
潮が引いたら、かなり真剣な潮干狩り(晩ご飯にする)とか、そんな微妙に観光とズレた珍道中がやけに面白かった。
で、2人の乗る船が直って出航したら、私はまた一人で歩く。…予定だったのだが。
ようやく船が直り、一緒に行動しているうみんちゅ仲間と合流すべく連絡を取り合ったところ、うみんちゅ仲間は前線通過の時化を避けて、港に避難しているという。
しかも、私が「行きたいけど遠い」と迷っていた島の港ですと!?
「いいなーいいなー。」
「一緒に乗ればいいさ。」
「…Kさん達の船、3名乗れるの?」
「乗れるよ。」
「じゃあ私もそっちの島まで行くー!」
てなわけで、まとんは世界一役立たない漁船の乗組員となったのだった(笑)
天候不順でばっふばふに揺れ狂う外海(でもまだマシらしい)を航海すること6時間。
まとんは酔い止め飲んでずっと爆睡(^^;)
石垣島からの定期便航路は存在しない島へ、直接やってきちまいました♪
わーいなんて非日常感(≧∇≦)☆
バサバサ揺れてリーフの隙間を抜けて、島の港に着くと、仲間の船が5隻泊まっていた。
私がひょいと顔を出すと、おいちゃん&あんちゃん達、いいリアクションで驚いていた。
Σ(°□°;)「あぃ!考えられんやっさ~。」
「ども~。覚えてる?」
「覚えてるさ。なんでこんなとこにいるの?」
「途中でイカ釣りの針にかかっちゃって。」
それから海が落ち着くまでの3日間は、海辺で8名のうみんちゅ達とのワイワイ生活。
面白かった~。
飲み屋もなく集落もちょっと遠く、退屈を持て余していたうみんちゅ達にとって、こんな野球少年頭で女らしさの欠片もないまとんでも、とにかくいるだけで浮かれてしまうらしく(笑)
車を借りてみんなで島内観光してみたり、近くの海に釣りに行って新鮮魚まつりをしてみたり。
丼いっぱいに刺身とか壮観ですな(^^;)うみんちゅは酢で食べるのね。
夜は船で雑魚寝。ていうか一番いいベッドを使わせてもらってしまい、他の人が床で寝たり(笑)
船は、完全に「お家」。何でもある。
煮炊きも風呂もトイレも困らない。
そして、波に揺られるとまた、よく眠れるんだな~。
折しも、島は選挙戦争のど真ん中であった。
離島の選挙、特に今回のような村長選は、ものすごい。と聞いたことはあった。
候補者が二人だと、まさに島が真っ二つに割れての“戦争”。
私がいた島も、もう何年も前の村長選のゴタゴタがいつまでもしこりとして残っている人々もいて、驚いたもんだった。
この島の選挙戦も有名らしい。
有名じゃないとしたってすぐわかる。島中がピリピリしている。
平日というのに、村の中心のあちこちに大人達が群れ固まり、女たちが炊き出しをしている。誰も仕事をしていない。
「仕事なんて、とてもできませんよ。何を言われることか。」
港まで来てゆんたくしていくおじさんが言う。
一日中ひっきりなしに車が港までやってきては、なめるように私たちを眺めて行くか、こうして声をかけて話していく。
始めは不審なよそ者だから調べられているのかと思ったが、そうではなかった(それもあるんだろうけど)。
選挙戦は、大げさでなく「命がけ」なのだ。
島や町を限定した話でなく、激しいところならどこでも、結局はお金がものを言う。
「前にあった選挙は、たった一票差だったって。投票率99%以上って!」
「寝たきりの人も車椅子で運んで投票するんですよ。」
「一票10万でも安いな。そうなったら。」
「こいつの前の会社は、選挙戦で負けて仕事こなくて潰れたから、こいつ今うみんちゅしてるんだよ。」
「刺身ご馳走するって、皿受け取ったら、皿の下に2万円挟まれてたって。それで票取られてよ。」
うみんちゅ達が普通にしてる会話でも、都会っ子には刺激的だわ(@_@)
見回っている車は、不審な駆け引きをしていないかを調べている。
宴会用に魚を買いに来る人たちもいる。
ゆんたくしていくのは、なるべく深く巻き込まれないように逃げ回っている人たち。でもすぐに知人が迎えに来て連れ去られる。
怖え~( ̄○ ̄;)
良かった、島民じゃなくて。
やっと海が落ち着いて、うみんちゅ達が次々に出航していった。
「気をつけてね!」
と言われまくったが、気をつけるのはうみんちゅ達の方だよ。
気をつけて、そして、たくさん釣れますように。
今年は値段も安めな上に、なかなか釣れない。
機械の故障でお金がかかってる人たちもたくさんいる。
うまく、いきますように!!
ありがとう♪
嵐の日に近くにいたら、また会おう(笑)
写真の畑、何だかわかる?
私のいた島にはなかったから、初めて見たよ~。
by ushimaton
| 2009-06-06 14:29
| みなみにっき
気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。
by ushimaton
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
☆★うしまとん★☆
生まれと育ちは北海道
震災被災地にお手伝い
行っております
コメントの返事が
とどこおりがちですが、
嬉しくありがたく
読ませていただいています
自分のブログの更新する余力がなかなかなくなってしまいましたが、日々の報告メールをこちらに出しております。
災害移動支援ボランティアRera
☆★リンク★☆
うしのつむじ
牛の版画
ひまわりの家から
手作り&子育て(休止中)
シーラチャーからこんにちは
タイ子育て日記(移動前)
モロッコ雑貨 リヤド
モロッコ雑貨とフェアトレード
うさぎのなみだ
珠玉のひとこと日記
寺田本家
千葉のおいしい造り酒屋
++明け烏++
創作小説&日記
彷徨う語り鬼たちの杜
創作小説
カナダ大平原のファームからの便り
カナダの牧場
Cowbell's diary
北海道の放牧酪農
照長土井の長岡日記
但馬牛
北海道発 真っ赤なトマト
激うまフルーツトマト
酪農生活100
新サイトもあります
花のまわりをあるく歌
手作り&子育て
打弦人生
ハンマーダルシマー
フィールド オブ ドリームス
関東の放牧酪農
Nayaカレンダー
珈琲・カレー・天然酵母パン
うしカメラ
牛写真家の牧場訪問記
◆笑いでウルオイを◆
ほぼ日刊イトイ新聞「言いまつがい」
虚構新聞
震災被災地にお手伝い
行っております
コメントの返事が
とどこおりがちですが、
嬉しくありがたく
読ませていただいています
自分のブログの更新する余力がなかなかなくなってしまいましたが、日々の報告メールをこちらに出しております。
災害移動支援ボランティアRera
☆★リンク★☆
うしのつむじ
牛の版画
ひまわりの家から
手作り&子育て(休止中)
シーラチャーからこんにちは
タイ子育て日記(移動前)
モロッコ雑貨 リヤド
モロッコ雑貨とフェアトレード
うさぎのなみだ
珠玉のひとこと日記
寺田本家
千葉のおいしい造り酒屋
++明け烏++
創作小説&日記
彷徨う語り鬼たちの杜
創作小説
カナダ大平原のファームからの便り
カナダの牧場
Cowbell's diary
北海道の放牧酪農
照長土井の長岡日記
但馬牛
北海道発 真っ赤なトマト
激うまフルーツトマト
酪農生活100
新サイトもあります
花のまわりをあるく歌
手作り&子育て
打弦人生
ハンマーダルシマー
フィールド オブ ドリームス
関東の放牧酪農
Nayaカレンダー
珈琲・カレー・天然酵母パン
うしカメラ
牛写真家の牧場訪問記
◆笑いでウルオイを◆
ほぼ日刊イトイ新聞「言いまつがい」
虚構新聞
お気に入りブログ
代官山駅前日記空を見上げて
バイオマスおやじの日々
ちょっとだけ大根
AZUのサンへーブログ。...
そらまめ~北海道便り~
世界は知らない事ばかり
なかじまや
以前の記事
2013年 07月2013年 06月
2013年 05月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
more...
検索
ライフログ
カテゴリ
つらつら気になること
おすすめ!
ともだち&チビッコ
自分のこと
うち
ウシ話
旅のそら
まきばにっき
ほたてにっき
はたけにっき
みなみにっき
東日本大震災