うみんちゅがやってきた
久々にブログらしい記事に戻りましょうかね(笑)
同じ沖縄県内とはいえ、海人(うみんちゅ→漁師)にとって、この島までの漁となると、ちょっとした遠洋漁業である。
沖縄本島から10名前後の漁船団を組んで、400キロ離れたこの島へ。それから、さらに同じくらい沖へ行ったところで漁をする。
数日漁に出てはこの島に補給に戻る。すぐに波が高くなるこのあたりなので、何日も陸でやり過ごして(飲んだくれて)から、またしばらく漁に出て島に戻る。その繰り返し。
一度漁に出ると、ひと月くらい家(大抵は沖縄本島)に帰れなかったりもするそうだ。
まだ小さい子供たちのいる若い人もいたりするんだけど、大変だねー。がんばるねー。
いつもとっても良くしてくれているカジュ兄夫婦は、うみんちゅ達とやけに仲がよい。
ちなみに私がしょっちゅう呼ばれて入り浸っているので、巷ではまとんはカジュにぃ家の長女とか呼ばれている(笑)
というか、さり気なく心配してくれて、わざとしょっちゅう呼んでくれるんだなぁ。まったくありがたや。
引きこもらずに元気でいられるのもこんな人々のお陰(´∀`)
で、陸に上がってきたうみんちゅ達は、毎日のようにカジュにぃ家に遊びに来て、ゆんたくはんたく(のんびりおしゃべり)していた。
そんな日は大抵、夕方頃に私の電話が鳴る。
「刺身食べにおいで。」
ラッキー♪
なにしろうみんちゅからダイレクトの魚だから、新鮮この上ない。
普通の場所なら「とりたてのマグロ」とか食べる機会ってないよね。この島は陸からでもマグロ釣れたりするんだけど(^^;)
うみんちゅ達は、船の上で自分たち用にちょっとした加工もする。
で、作って持ってきた、スルメ。
でかっっ!!(爆)
長い漁も無事大漁で終わり、ついに帰っていくまで、たくさんのうみんちゅ達とわいわいしていた訳なのだが。
いろんな人が粒ぞろいで楽しいこと。
だいたい漁船には、一人だけで乗っている。たまに2人。無線で連絡しながらバラバラに散って各自漁をする。
みんな男。「海の神様は女だから、女の人が船に乗るとやきもちをやいて良くない」のだそうな。へ~。
海では色々ともめたり腹が立ったりしているのだろうが、陸ではそれもみんな笑い話にしてしまう。
「ワジワジ(イライラ)して、上げかけの魚みんな海に捨てて、陸に上がって喧嘩しよう、いや包丁で刺しっこしよう、って急いで港に帰ってきたけど、結局和解した」とか面白おかしく話してる(^^;)
話し方が穏やかで、ちょっと毛色の違ううみんちゅのおじさんが転職組だと聞いたので、「なんでうみんちゅになったの?」と訊いてみた。
「もともとうみんちゅになりたかったけど、なり方がわからなかったから、大学を卒業してコンピューターの仕事をしていたんだけど、やっぱりなりたかったからうみんちゅになった。」
なんじゃそれー!(爆)
でも人生楽しんでる感じ。
久高島出身のうみんちゅがいた。
久高島ー!3ヵ月前にさえちゃんとのりぴょんと行った(記事にも書いた)“神の島”ではないか。楽しかったなぁ。
「へー、まとんちゃん久高島に行ったの?どこに泊まった?」
「民宿N。」
「はははは、それ俺のおばさんのところだよ。」
えーーー(@_@)あのかわいくて素敵なおばあの甥!
そういえば名字が民宿と同じNさんだΣ( ̄○ ̄;)
横で聞いていた他のうみんちゅが、
「久高島に行ったら、○○のあたりで、船が同じところをぐるぐる回りだしてしまってよ。気をつけているのに、なぜか回る。」
と不思議体験を話すと、Nさんは事も無げに、
「いるんだよ。人ではないものが。浜下い(大潮の潮干狩り)の後は必ず軽トラに途中まで乗っかってくる。ハッキリ見えるよ。だけど悪いものじゃない。」
私「見えるって、実物の人がここにいるみたいに見えるの!?」
「そうじゃないけど、見えるんだよ。だけど久高島だけの事じゃないんだよ。どこにでもいるし、全ての人が必ず見れる。だけど自分で見えなくしてるだけなんだよ。」
う~む(?_?)不思議だ。
だけど、沖縄は、すごくそんな“異質な存在”が近い。
ユタ(シャーマン的な女性)はどこにでも(この島にも)必ずいるし、そうじゃない普通の人にも、霊やご先祖や妖精的なものの存在が根づいている。
いつもニコニコやさしいうみんちゅは、日系ペルー人のYさん。まだ一人立ちしたばかりで、ほかのおじさんうみんちゅ達の世話をしたりとよく動き回っている。
都会的な気配り感覚はもちろん皆無の、南国うみんちゅたち。いつもYさんはカタコトの日本語を笑い話のネタにされている。
私は海外にいるときに、自分のカタコト外国語で散々苦労もしたし、からかわれて不機嫌になったりもした経験があるので、どうも一緒に笑えない(-"-;)
しかし、悪気なく屈託なく面白がって笑ううみんちゅや島の人と一緒に、Yさんもニコニコと照れ笑いしている。
心が広いなー(@_@)私だったら、「ワタシニホンゴカタコトカタコト」だの「もっと日本語勉強しろ」だのあんまりからかわれていたら、多分キレる(笑)
Yさんはラテンアメリカの同じ空気で育ってきたから、彼らの「無邪気に失礼」な態度にピリピリしないのかな。
ペルー!ということでYさん相手に5年ぶりくらいにスペイン語を口にしてみた私。
かなり忘れまくりだが、意外と覚えていた(2、3言しか覚えてないかと思ったけど。笑)
うみんちゅらしく(?)何人かはあちこちのお店で飲んだくれては喧嘩したとか何だとかの話もちらほら(^^;)
持ち帰ったイカや魚は、沖縄本島で無事高く売れたようで、皆さん松山(有名な風俗街らしい)あたりで豪遊して、それから久々の我が家でかあちゃんや子供たちと楽しく過ごした事でありましょう。
ちなみに、上記のうみんちゅたちの言葉は、再現(理解)不可能なウチナーグチを日本語に書き直したものでした(^^;)
by ushimaton
| 2009-02-01 06:47
| みなみにっき
気が小さいのに、珍しいものは好き。 道草を喰って、たまに反芻したり。 牛歩ではありますが。
by ushimaton
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